(※画像はイメージです/PIXTA)

コロナウイルス禍が続くなか、働き方が大きく変わり、特にテレワークが急速に広がりを見せています。しかし、質のよいテレワーク環境をきちんと整備しようとすると、それなりのコストがかかります。そこで、有効活用したいのが、国の補助金や助成金の制度です。本記事では、ハードルが低く利用しやすい助成金の一つ「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」について解説します。

支給要件・支給額

「機器等導入助成」と「目標達成助成」のそれぞれに関し、支給要件、支給額等について解説します。いずれも、支給要件のハードルはそれほど高くありません。

 

◆1. 機器等導入助成

機器等導入助成は、テレワークに使用する機器等を導入した場合に受けられるものです。

 

(1)支給要件

機器等導入助成の支給要件は以下の通りです。実現のハードルはそれほど高くないといえます。

 

1. 新たに、テレワークに関する制度を規定した就業規則または労働協約を整備すること

2. テレワーク実施計画認定日以降、助成申請までに、助成対象となる取り組みを1つ以上行うこと

3. 評価期間における対象労働者のテレワーク実績が、次のいずれかを満たすこと

 ・評価期間に1回以上対象労働者全員がテレワークを実施する

 ・評価期間に対象労働者がテレワークを実施した回数の週平均を1回以上にする

4. テレワークの促進について企業トップ等からのメッセージ発信を行うなど、労働者がテレワークを実施しやすい職場風土作りの取組を行う事業主であること

 

(2)支給額

機器等導入助成の支給額は、支払い対象経費の30%です。ただし、以下のいずれか低い額を上限とします。

 

・100万円

・20万円×対象労働者数

 

◆2. 目標達成助成

目標達成助成は、「機器等導入助成」の要件を満たしたうえで、離職率を低下させた場合や、テレワークを実施する労働者の割合を増加させた場合に受けられるものです。

 

(1)支給要件

目標達成助成の支給要件は以下の通りです。こちらも、達成のハードルはそれほど高くないといえます。

 

1. 評価期間後1年間の離職率が、計画提出前1年間の離職率以下であること

2. 評価期間後1年間の離職率が30%以下であること

3. 評価期間に1回以上テレワークを実施した労働者数が、「機器等導入助成」の評価期間の初日から1年を経過した日における事業所の労働者数に、計画認定時点における事業所の労働者全体に占める対象労働者の割合を掛け合わせた人数以上であること

 

(2)支給額

機器等導入助成の支給額は、支払い対象経費の20%です。ただし、所定の「生産性要件」を満たした場合には35%に増額されます。「生産性要件」については、「生産性要件算定シート」を用いて判断されます。

 

また、以下のいずれか低い額を上限とします。

 

・100万円

・20万円×対象労働者数

 

手続きの流れ

人材確保等支援助成金(テレワークコース)を利用するための手続きの流れは、以下の通りです。

 

1. テレワーク実施計画の作成・労働局への提出

2. 労働局による実施計画の認定

3. 実施計画に基づき、「テレワークを可能とする取り組み」を実施し、「機械等導入助成」の評価期間においてテレワークを実施

4. 「機械等導入助成」の支給申請

5. 「目標達成助成」の評価期間においてテレワークを実施

6. 「目標達成助成」の支給申請

 

「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」は、良好なテレワーク環境を整備するのに有益な助成金であり、ハードルも低いので、積極的に活用することをおすすめします。

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録