親心につけ込むわけではなく、無自覚に実家を「無料の補給基地」と見なす子どもたちは少なくありません。しかし、年金生活に入っても現役時代と同じ顔をして援助を続ければ、待っているのは親子共倒れの未来かもしれません。今回取り上げるのは、娘一家への援助に疲弊していた68歳女性の事例。彼女が老後破綻を防ぐために引いた一線とは? 見ていきましょう。

孫は可愛いけれど…年金暮らし母の悩み

娘からの「今から行くよ!」のLINE。本来は嬉しいはずなのですが、良子さん(68歳)の心は少しだけ重くなります。

 

娘は車で30分ほどの距離に住んでおり、1ヵ月に2回は実家に戻ってきます。明るい娘と5歳の孫、ときには娘の夫も連れだってやってくることも。

 

「何もなかった? うちはね……」家に帰ってきたとたん、娘のおしゃべりは止まりません。実家を心底リラックスできる場所だと思っているのは明らかでした。

 

良子さんも、以前は純粋に楽しみでした。しかし、年金生活に入って3年。娘一家の訪問は「目に見えないコスト」との戦いに変わりつつありました。

 

娘たちはいつも手ぶらでやってきます。そして帰りがけ、玄関先でごく自然にこう言うのです。


「お米分けてもらっていい?  洗剤のストックもあると助かる~」

 

良子さんが自分たちのために安売りで買った備蓄品は、娘にとっては「実家の無料在庫」。一緒にスーパーへ行けば、大きな肉のパックや果物が当然のように良子さんのカゴへ投げ込まれていきます。

 

お財布をさらに圧迫するのが、娘が口にする「お悩み相談」です。

 

「今から英語やらなきゃ、間に合わないみたいなの」
「テーマパークに連れていきたいけど、チケットが高くなりすぎて」
「お友達が持ってるゲーム、欲しいってきかないんだよね」


そう語る娘の口調は真剣そのもの。でも、話の最後はいつも「うちは生活するだけで精一杯で、そこまで手が回らなくて……」という溜息で終わります。

 

「孫のためだもの、おばあちゃんが出してあげるわよ」――その一言を待っていることは明らかでした。

孫を優先して、エアコンの買い替えは後回し

しかし、良子さんも夫も年金暮らし。月24万円では足りないことも多く、約1,400万円の貯金を切り崩しながらやりくりしています。しかし、娘一家への援助の積み重ねで、貯金は想定以上のスピードで減っていました。

 

ある日、娘たちが嵐のように去った後の静かなリビングで、夫がぽつりと漏らしました。


「……なぁ、うちのエアコン、もう15年だぞ。今年こそ買い替えたいけど、まだいけるか? 我慢したほうがいいか。孫が小学校に入れば、もっと金がかかるだろ」

 

その言葉に、良子さんはハッとしました。自分たちの生活の維持に必要な出費を後回しにして、娘世帯の向上にお金を流し続けている。この歪な構造に、知らず知らずのうちに足を踏み入れていたことに気づいたのです。

 

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