(※写真はイメージです/PIXTA)

内閣府『令和7年版 高齢社会白書』によると、2025年時点で、65歳以上男性のうち18.3%が一人暮らしであると推計されています。総務省『家計調査(2024年)』によると、65歳以上の単身無職世帯の平均消費支出は月およそ15万円。年金収入が主な収入源となる高齢期では、生活費のやりくりのなかで食費を抑える人も少なくありません。こうした状況のなかで、家族が久しぶりに実家を訪れると、暮らしぶりの変化に驚くこともあります。

久しぶりの帰省で見えた父の食生活

「心配するな。ちゃんと食べているから」

 

そう電話口で話していたのは、地方都市で一人暮らしをしている父・武雄さん(仮名・73歳)でした。妻を亡くしてから3年。長年暮らしてきた持ち家で、一人の生活を続けています。

 

娘の真理さん(仮名・45歳)は、離れた都市で家庭を持って暮らしており、頻繁に帰省することはできません。普段は月に数回、電話やLINEで連絡を取り合う関係です。

 

電話で話す限り、父はいつも元気そうでした。

 

「ちゃんと食べているの?」

 

真理さんがそう聞くと、父は決まってこう答えます。

 

「食べているよ。心配するな」

 

その言葉を聞くたびに、真理さんも「まあ大丈夫でしょう」と気楽に考えていたといいます。

 

ある週末、真理さんは久しぶりに実家を訪ねました。玄関を開けると、父はいつも通りの様子で迎えてくれました。

 

「急にどうしたんだ」

 

「たまには顔を見に来ようと思って」

 

そんな何気ない会話をしながら台所に入ったとき、真理さんは小さな違和感を覚えます。冷蔵庫の扉を開けた瞬間、その理由が分かりました。

 

中には、半分ほど残った牛乳と、開封済みの漬物、卵が数個あるだけでした。野菜や肉、作り置きの料理は見当たりません。

 

「お父さん、これしかないの?」

 

思わず聞くと、父は少し照れたように笑いました。

 

「まあ、買いに行けばいいんだよ」

 

しかし台所を見回すと、調理をしている形跡はほとんどありませんでした。コンロはきれいなまま。シンクには洗い物もほとんどありません。

 

代わりに、棚にはカップ麺やレトルト食品がいくつか並んでいました。

 

「最近何食べてるの?」

 

そう聞くと、父は少し言葉に詰まりました。

 

「まあ……簡単なものだな」

 

よく聞くと、朝は食べない日も多く、昼はカップ麺か菓子パン、夜はご飯と漬物だけ、という日もあるといいます。

 

「一人だと、作る気がしなくてな」

 

武雄さんはそう言って、少し申し訳なさそうに笑いました。

 

妻が亡くなる前は、毎日きちんと食事が用意されていました。しかし一人暮らしになってから、料理をする習慣は次第になくなっていったといいます。

 

 \3月20日(金)-22日(日)限定配信/
 調査官は重加算税をかけたがる 
相続税の「税務調査」の実態と対処法

次ページ年金月12万円の生活で削られていたもの
カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 石福金属工業のお知らせ 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧