(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、東洋証券株式会社の中国株コラムから転載したものです。

中国市場

10月回顧:外資の売り加速、上海3,000pt割れ

10月の中国市場は上値の重い展開。国慶節の連休明け後、上海総合指数は12日に約5ヵ月ぶり安値となる2,934ptまで売られた。深セン成分指数も同日に約5ヵ月ぶり安値の10,402ptを付けた。

 

政府系資金「国家隊」による買い支えなどで持ち直す場面もみられたが、人民元の対米ドルでの下落(08年1月以来の安値水準)や中国の新指導部の経済運営に対する不安感などが足かせとなった。地政学リスクや景気減速懸念などに敏感な海外投資資金の流出も目立つ。

 

外資によるA株売越額は534億元(月初~10/24まで)と月間ベースで今年最多まで膨らんだ。

 

11月見通し:戻りを試す展開か…「国策銘柄」に注目

【予想レンジ】
上海総合指数:2,800~3,250pt
深セン成分指数:9,500~11,500pt

 

11月の中国市場で各指数は戻りを試す展開となりそう。上海総合指数は3,200pt、深セン成分指数は11,000pt台の回復も視野に入る。

 

[図表2]上海総合指数の推移
[図表2]上海総合指数の推移

 

「ゼロコロナ政策」の堅持による経済活動の停滞懸念は引き続き相場の変数。一方、共産党大会を経て習近平総書記の3期目続投が確定し、国策として掲げている脱炭素や半導体への注目が一層高まりそう。太陽光パネルで世界最大手の隆基緑能科技(601012)などの値動きに注目したい。

 

また、「ダブルイレブン」(11日)絡みでネット通販が盛り上がりやすいことから、宅配大手の順豊控股(002352)などへの物色が強まろう。

 

 

龔 静傑

東洋証券香港現法亜洲有限公司

中国株アナリスト/香港ストラテジスト
 

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