(※画像はイメージです/PIXTA)

全産業分野の売上(収入)金額や、費用などの経理項目を同一時点で網羅的に把握する『経済センサス-活動調査』。今回はその中から、日本の「モノづくり」の現状を都道府県ごとに紐解いていきます。

労働生産性の高い「モノづくり」を実現する地域は?

では「従業者1人当たり売上高」についてみていきましょう。トップは「大分県」で従業員1人あたり5,964万円。続く「山口県」は5,894万円。「千葉県」「愛知県」「三重県」と続きます。出荷額2位の「大阪府」は16位で4,063万円でした。

 

【都道府県「従業者1人当たり売上高」上位5、下位5】

1位「大分県」59.64百万円

2位「山口県」58.94百万円

3位「千葉県」57.89百万円

4位「愛知県」54.46百万円

5位「三重県」52.03百万円

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43位「新潟県」26.73百万円

44位「鳥取県」24.40百万円

45位「高知県」23.66百万円

46位「秋田県」22.37百万円

47位「沖縄県」20.42百万円

 

出所:経済産業省『令和3年経済センサス-活動調査 製造業に関する結果』より算出

 

「付加価値額/従業者数」である「労働生産性」をみていきましょう。最も労働生産性が高いのは「山口県」で従業員1人あたり1,956万円。続くのが「徳島県」で、従業員1人あたり1,888万円。「滋賀県」「茨城県」「三重県」と続きます。出荷額や付加価値額ではトップの「愛知県」は10位で、従業員1人あたり1,470万円。「大阪府」は16位で、従業員1人あたり1,365万円でした。
 

【都道府県「労働生産性」上位5、下位5】

1位「山口県」19.56百万円

2位「徳島県」18.88百万円

3位「滋賀県」16.96百万円

4位「茨城県」15.88百万円

5位「三重県」15.76百万円

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43位「秋田県」8.87百万円

44位「岩手県」8.53百万円

45位「高知県」7.88百万円

46位「沖縄県」7.40百万円

47位「鳥取県」7.10百万円

 

出所:経済産業省『令和3年経済センサス-活動調査 製造業に関する結果』より算出

 

また「付加価値額/売上」である「付加価値率」をみていくと、トップは「徳島県」で46.79%。続く「山梨県」は42.52%。「京都府」「東京都」「秋田県」と続きます。出荷額や付加価値額ではトップの「愛知県」は43位で26.99%。「大阪府」は25位で33.60%でした。

 

【都道府県「付加価値率」上位5、下位5】

1位「徳島県」46.79%

2位「山梨県」42.52%

3位「京都府」41.12%

4位「東京都」40.11%

5位「秋田県」39.65%

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43位「愛知県」26.99%

44位「愛媛県」26.59%

45位「千葉県」26.30%

46位「岡山県」25.05%

47位「大分県」24.17%

 

出所:経済産業省『令和3年経済センサス-活動調査 製造業に関する結果』より算出

 

都道府県ごとにモノづくりをみてきましたが、労働生産性や付加価値率の点でみていくと、モノづくりのイメージは薄いものの労働生産性は高いなど、意外な実情がみえてきました。ただ日本のモノづくりは、全体的に効率がいいとはいえません。日本の企業等の純付加価値率(売上高に対する純付加価値額の割合。減価償却費を差し引かない付加価値を粗付加価値、減価償却費を差し引く付加価値を純付加価値という)は、産業平均は19.8%。それに対して製造業は16.7%と、平均を下回っています。

 

日本の成長を支えた製造業。グローバル化の中でその凋落ぶりが話題となりますが、いかに付加価値を高めていくかが、復活のカギとなります。付加価値を高めるためにも、デジタル化は必須。経産省は既存のITシステムの課題を各企業が克服できず、DXを推進できなかった場合、2025年以降に巨大なリスクが発生するといわれています。製造業では特にDXが遅れているとされていますから、この数年間でどれだけDXを推し進めることができるかで、日本の未来が決まるといっても過言ではありません。

 

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