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「専門医」への憧れと「QOL」、若手が抱える理想と現実
株式会社リクルートメディカルキャリアが全国の医師を対象に実施した『医師のキャリア観に関する実態調査』によると、医師免許を取得した当初に描いたキャリアとして、全年代を通じて最も多かった回答は「専門医として技術を高めたい」(48.0%)。しかし、年代別に詳しく見ると、その志向には違いが見られます。
特に20代~40代の若手・中堅層では、「家庭やプライベートと両立できる働き方をしたい」という回答が4割を超え、「専門医」に次ぐ高い割合。20代では60.9%が「専門医」を目指すと同時に、47.8%が「家庭・プライベートとの両立」を望んでいます。
一方で、その理想と現実の間には大きな隔たりがあるようです。
「思い描いたキャリアプランに現在どの程度近づいているか」という問いに対して、30代では「あまり近づいていない」「まったく近づいていない」と回答した医師が合計で36.9%。40代ではさらにその割合が高まり、41.7%が理想との乖離を感じています。これに対し、60代では69.3%が「非常に近づいている」または「ある程度近づいている」と回答しており、年代が上がるにつれて理想のキャリアを実現できていると感じる医師が増える傾向にあります。
30代で直面する「ライフステージの変化」
多くの医師がキャリアの理想と現実のギャップに直面するなか、初めて自らのキャリアパスを「見直したい」と感じるのはいつなのでしょうか。30代の医師のうち、約4割が「30代前半」または「30代後半」で初めてキャリアの見直しを検討したと回答。さらに、現在40代の医師では約半数が「30代」と答えており、30代が医師のキャリアにおける最初の転換期となっていることがわかります。
キャリアを見直した理由として最も多かったのは「ライフステージ(育児・介護・結婚など)の変化」(32.8%)。この傾向は30代で特に顕著で、実に57.1%が理由として挙げています。結婚や出産、子育てといったプライベートでの大きな変化が、仕事との向き合い方や働き方そのものを根本から考え直すきっかけとなっているようです。
これに対し、20代では「労働時間や当直が負担になった」「年収への不満」がそれぞれ50.0%(参考値)を占め、過酷な勤務環境や経済的な条件が、より早い段階でのキャリア再考を促す要因となっていると考えられます。一方で、50代以上になると「キャリアを見直したいと思ったことはない」という回答の割合が高まり、70代では56.7%と過半数に達します。若手・中堅層がライフイベントや労働条件を機にキャリアの軌道修正を図るのとは対照的に、ベテラン層は一貫したキャリアを歩んできた、あるいは現状を受け入れている医師が多いことがわかります。
