応募数4倍増に。「運動や対面で健康増進」中小も健康SDGsで採用力強化へ

応募数4倍増に。「運動や対面で健康増進」中小も健康SDGsで採用力強化へ
ストレッチやヨガで従業員の心身の疲労を軽減する企業も。

企業が従業員の健康を気遣い、デジタルデバイスを利用して体調を管理させたり、手厚い福利厚生を設けたりする事例が相次いでいる。少子・高齢化を背景とした人手不足が深刻となっていることや新型コロナウイルスの感染拡大などが背景にある。国連が2015年に採択したSDGs(持続可能な開発目標)では、「すべての人に健康と福祉を(目標3)」、「働きがいも経済成長も(目標8)」を掲げている。企業は自社のブランディングの一環としても従業員の健康サポートを充実し、目標を達成しようとしている。この連載では、全国で法人向けの出張マッサージサービスを手掛ける株式会社イーヤス(名古屋市)の遠藤基平社長が、その経験をもとに「健康SDGs」を実践する企業を紹介し、その意義を具体的に解説する。

人手不足、鍵となるのは社員の「健康」

当社は、240を超える日本全国の企業と提携し、整体マッサージのサービスを提供しています。SDGsへの意識の高まりなどを背景に当社のクライアントの多くが、様々な手段を使って従業員の健康増進をサポートしています。

 

人手不足の中、社員が健康に働けるかどうかは、仕事の生産性にも影響するだけに企業側も真剣です。第一回ではインターネットやハイテク機器を利用して従業員の心身の健康を増進している事例を紹介しました。第二回目の今回は、従業員にストレッチやヨガなどで実際に体を動かしてもらい、健康を維持・増進しようとしている企業を紹介します。

パーソナルストレッチでモチベーションが向上したゲーム会社

このところ目立っているのが、社員向けにストレッチサービスを提供する企業です。ストレッチで筋肉をよく伸ばすと血液やリンパの流れが良くなる上、リラックス効果や姿勢を正す効果があります。肩や腰、膝などの痛みも正しいストレッチによって症状を改善できるとされています。ハードなランニングや筋力トレーニングとは違い、気軽に実施できるのが特徴です。

 

東京都にあるゲーム関連企業であるA社は2018年から、週2日、2名のストレッチトレーナーに会社を訪問してもらい、会議室でパーソナルストレッチを実施しています。約300人の社員は1回30分の施術を月2回まで無料で受けることができます。

 

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、「運動不足で筋力が落ちている」と感じる社員が増えています。リモートワークも増え、社員らから「長時間、同じ姿勢で仕事をするため、肩こりや腰痛がひどくなった」という声も出ていました。このため、パーソナルストレッチは好評で、予約は常に満員。出社のモチベーションになっているという声が出ているそうです。

 

都内の通信機器メーカーであるR社も16年に会社オリジナルの3分間ストレッチ動画を8パターン制作しました。このうち1つの動画を毎日、始業前に社内モニターに映し、会社全体でストレッチに取り組んでいます。社内アンケートで「ストレッチが肩こりや腰痛の緩和に効果があったか」と質問したところ、全体の6割が「効果があった」と回答したそうです。

 

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