長時間のパソコン作業で目や腰など心身の不調を訴える人も

企業が従業員の健康を気遣い、手厚い福利厚生を設けたり、デジタルデバイスを利用して体調を管理させたりする事例が相次いでいることを知っているだろうか。少子・高齢化を背景とした人手不足が深刻となっていることや新型コロナウイルスの感染拡大などが背景にある。国連が2015年に採択したSDGs(持続可能な開発目標)では、「すべての人に健康と福祉を(目標3)」、「働きがいも経済成長も(目標8)」を掲げている。企業は「自社のブランディングの一環」としても従業員の健康サポートを充実し、目標を達成しようとしている。本連載では、全国で法人向けの出張マッサージサービスを手掛ける株式会社イーヤスの遠藤基平社長が、その経験をもとに「健康SDGs」を実践する企業を紹介し、その意義を具体的に解説する。

政府は今年5月に新型コロナウイルスの感染法上の位置づけを季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。いわゆる「アフターコロナ」は、コロナ禍前とは違った社会になることが予想されます。例えばリモートワークの定着です。リモートワークは労働者側、企業側にメリットがある一方、従業員の心身の健康維持・増進に課題があることもわかってきました。アフターコロナ時代の健康経営は企業の重要な課題になるといえるでしょう。

 

リモートワークが推進されたことによって顕在化した健康問題には、従業員の「肩こり」「精神的ストレス」「腰痛」「姿勢の悪化」「目の疲れ」があります。企業として、これらの健康問題を黙って見過ごしていては、社員の生産性低下やメンタル不調、休職や離職を招きかねません。今回は、コロナ禍を経て社員の健康課題に目を向け、対策を取っている会社の事例を紹介します。

 

隔週でヘルシーイベントを実施

IT系企業のS社(東京都港区、社員80名)では、コロナ禍を受けて全社員がリモートワークに移行しました。新型コロナの感染対策が緩和された現在も出社と在宅勤務は自由ですが、9割以上の社員が在宅勤務をしています。とはいえ、社員同士のコミュニケーションを円滑にするには出社して顔を合わせることも大事です。

 

同社では2022年10月から毎週水曜日を出社推奨日としています。2023年3月からは、出社して社員間のコミュニケーションを図ってもらう目的で、月2回の水曜日にヘルシーランチを無償提供し、月1回の水曜日には社内でマッサージサービスを実施しています。

 

イベント実施前の水曜日は4割以下だった出社率も、イベントを実施しはじめてからは7割程度の社員が出社してくるようになったそうです。テスラのイーロン・マスクCEOは6月、社員宛ての電子メールで、週に最低40時間のオフィス勤務を命じ、「出社しなければ、辞職したと見なす」と伝えたとされ、波紋を広げました。一方、S社のやり方は「週1日は社員皆で体と心の健康を意識しましょう」というメッセージとしてとても上手く機能しているのではないでしょうか。

 

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