中国の医療事情
日本人には馴染みのない中国の医療事情について、簡単にまとめてみました。
病院「階級制」
中国の病院は、機能、役割、インフラ整備などにより3等級に分類されます。医療水準は3級病院がもっとも高く、1級病院がもっとも低くなります。つまり各等級で3つに分類されているのです。
3級の病院は、各省の中心地やそこそこの大都市、そして沿岸部の大都市に集中しています。中国に駐在していた日本人から、「人民病院」といわれている病院がこれです。地域間によって格差は大きいようですが、基本的にはすべて総合病院です。3級の大病院は設備や医師の人数、病床の数が充実しているのですが、中国の病院全体の8%くらいしかないのですが、診療件数は全国の50%以上を占めています。
中国には、日本でいうところの「町医者」と呼ばれる民間病院や診療所がほとんどありません。大規模な総合病院が中心となるため、気軽に診察してもらうのは大変です。総合病院はどこも患者数が多く、診察を受けるまで相当時間が掛かります(地域によりますが、診療所には民間もあります)。
料金前払い制
そして、日本との大きな違いがあります。それは料金先払い制なのです。病院に行くと、先ず外来受付で受付を済ませ、そのときに門診料を支払います。日本でいう初診料のようなものですが、数十元程度です(100元は約2,000円位、2022年10月時点)。
その後病状に合わせて受診科を指定されて、診察を受けます。受診後は会計で診察料を支払い、薬局で薬をもらいます。ちなみに救急車も有料です。救急車が病院に到着すると、救急車の運転手から料金を請求されます(それなりに高いらしいです)。現在の中国の裕福な状況を見ていると、およそ社会主義国家とは思えませんが、国が違えば、医療システムも違うものなのです。
中国の医療保険
日本には、世界に冠たる医療制度があります。みんなに健康保険があります。中国には保険制度はありますが、地域によって異なり、どの病院でも適用できるわけではありません。居住地や身分制度などによっても違います。さらに料金も一律ではありません。当然ですが、日本の健康保険証は使えません。
中国の医師の年収
ちなみに中国の医師の平均年収は、地域にもよりますが、日本の医師の大体10分の1くらいです。中国では医師の兼業が、2015年ごろから解禁されたことにより、医師の副業も少しずつ広がっているようです。この副業がオンライン診療の拡大要因のひとつでもあります。
日本と比べて、少し息苦しく見える中国の医療事情ですが、これが中国のオンライン診療を加速・発展させる要因ともなっています。そこに新型コロナウイルスの拡大が大きく影響することになるのです。さらに社会主義体制ですから、突発的発令によって、コロコロと変わりますので、ここに記したことも、明日には変わっており、地域による違いも大きなものがあります。
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