医師不足によるストライキ
OECDで、韓国の医療水準についてのある報告がありました。このことをきっかけとして、韓国では医師によるストライキが発生します。それは韓国医療界の問題点を浮き彫りにするものでした。
医療水準は世界でトップクラスも…圧倒的医師不足の韓国
2020年国別医療調査では、韓国の医療水準は世界93ヵ国中2位となっています。ちなみに1位は台湾、3位は日本です。世界的にみると、韓国の医療水準は非常に高いほうにあります。しかし2020年夏、韓国の人口1,000人当たりの医師の数が経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかで最低水準だと韓国国内で報じられました。
韓国国会立法調査処が発刊した「OECD主要国の保健医療人材統計および示唆点」によると、韓国の人口1,000人当たりの医師数は2.3人で、OECD加盟国の平均(3.5人)より1.2人少なく、加盟36ヵ国のなかで最低水準だったと発表したのです。
この発表を受けて、韓国のネット上はざわつきます。そして、下記のようなコメントが寄せられました。
「病院は多いのに、有能な医師が少ないことに問題がある」
「医師の数ではなく、人気のない分野の医師が足りないことが問題だ」
「治療・診療費が安いのに、高度な診療技術を期待する意識を改善すべきだ」
「必須診療医が増えても、いまの医療報酬と保険財政では、医師の収入はさらに低くなり、リスクの少ない美容科が増えるばかりだ」(筆者注:韓国に美容整形が多い理由のひとつです)
これらのコメントや不満は、医師や医学生によるものがほとんどでした。そして、医師たちによるストライキが起こったのです。
医師によるストライキ
2020年の夏、韓国では医学生、インターン生が主体となって医師不足を訴えるストライキが起こりました。そのストライキでの主な主張は、「地方や田舎の医師不足、生命に関わる医科を先行する医師の不足は、全般的な医師の不足が原因であり、医師の数をもっと増やすべきだ」というものです。
しかし、韓国では車で10分圏内には必ずといっていいほど病院を目にすることができます。地方でも車で2時間以上かけて病院に行くことはほとんどないようです。人気のある病院でも、2時間以上待たされるようなこともめったにないといわれています。
では、なぜ韓国では医師不足なのでしょうか?
〈オンライン診療に新たな革命/ラディアル型オンライン診療システムとは?〉
イシャチョク®プラットフォーム
ダウンロード資料はコチラ>>