創業50年超老舗旅館、コロナで大打撃も「予約件数前年比130%」収益回復のワケ【宿泊業のDX事例】

創業50年超老舗旅館、コロナで大打撃も「予約件数前年比130%」収益回復のワケ【宿泊業のDX事例】

DXを「実施していて成果も出ている」日本企業は、わずか13.5%、ほとんどのDXプロジェクトが期待どおりになっていません。では、実際にDXを推進し、成功した企業はどのようなプロジェクトを実施したのか? 今回は、コロナで大打撃を受けた創業50年超老舗旅館が、予約件数前年比130%を達成し収益回復に成功した事例を、DXコンサルタントである株式会社日淺の日淺光博代表が評価・解説します。

 

”DXコンサルタント”日淺氏によるプロジェクト評価

※プロジェクトの対応を☆により評価

 

【経営者の視点】★★★

先代から受け継いだ旅館の思いは伝わっており、コロナの影響があったなか自社の弱点だったIT改革に社長自らが乗り出したことが評価できる点です。代替わりした若い社長ゆえエネルギーに満ちていて、これから新しい船出をしていきたいという意気込みを感じます。

 

【DX推進担当の視点】★★☆

中小企業のIT分野は人材不足が常なので、外部のコンサルタントを入れての推進は非常にいい判断です。社長が陣頭指揮を執るのは意思決定をすばやくするメリットがあるものの、兼務で多忙になりすぎるとプロジェクトが停滞しがちに。また経営者が社内で情報収集しても本音が出にくいこともあるので、おすすめはできません。

 

【現場の社員の視点】★★★

外部コンサルタントが入ったこともあり、現場の方々とのコミュニケーションも順調で混乱もなく現場への導入まで進みました。ITにあまりくわしくない方々とのコミュニケーションは、できるだけ業務に寄り添って話を進めるのがコツです。

DXにより得られたインセンティブ

ネット経由の予約が増え、前年比で予約数130%に。当初の計画通り古くからの顧客を大事にしつつ新たな顧客も獲得できて収益が安定しました。

 

また、これまでは情報共有に時間がかかっていたのが、顧客台帳がシステム化されたことで、ご案内から予約までの流れを「見える化」でき業務が飛躍的に楽に。お得意様向けのキャンペーンなども独自に展開し顧客との接点を増やしたことで顧客満足度も向上しました。

 

今回のケースからの学び

〈IT人材不足の解消と顧客台帳のデジタル化〉

宿泊業は、ほかの業種に比べ中小企業の比率が高く、かつ長年経営をしていることが多い業種です。その宿が好きで何度も足を運んでくれるリピート客で成り立っているビジネスでもあり、その最大の資産が顧客台帳です。

 

郵政が、かんぽの宿を手放したのは施設の老朽化もありますが、お客様がリピートしてくれるサービスではなかったことが大きな要因ではないでしょうか。

 

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難しい話はもういいんで DXがうまくいく方法だけ教えてください

難しい話はもういいんで DXがうまくいく方法だけ教えてください

日淺 光博

サンマーク出版

DXを「実施していて成果も出ている」日本企業は、わずか13.5%。つまり、ほとんどのDXプロジェクトが期待通りになっていないということです。 その原因の多くは、じつは社内のすべての人にDXを推進することで得られるインセン…

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