記憶に残るのは商品ではなく「営業の印象」
相手が迷惑に思うかどうかは、その方とお別れするときの気配がどうだったかによって決まります。たとえば、あなたが「ちくしょ、断られた。ノルマ達成できなかった」というような思いを持って、相手と向き合っていた場合、どうしてもその気配にあなた自身の悔しさや「がっかり感」が滲み出てしまうことがあるのです。
そうなると、そういう態度を微妙に感じた相手は「もう関わりを持ちたくない」「また強引に言われるに決まっている」と思ってしまいます。
私は断られたお客さまと別れる時に、
と笑顔で言うようにしていました。そして、実際にメールなどでコンタクトをするときも「そろそろいかがでしょうか?」みたいなせっつく言葉を使うことは一切していません。
セールスや売り込みに関係ない話で本気で「ご縁」をつなごうとしていたんです。もちろん、自分自身が未熟なので、どうしても不快になってしまう方もいました。なので、あまりに横柄な態度を取る方やあきらかに冷やかしでいらした方には、私のほうで「切るか、つなげるか」はしっかり判断していました。
また、お客さまの未来がよくなっていることをイメージして、以下のような自分の本音も、ちょっとだけ冗談っぽく、相手にプレッシャーを与えない程度に付け加えるとよいでしょう。
人は本音の言葉に心が動きます。
お客さまの心に記憶されるのは商品の内容ではなく、営業の印象。何を説明されたかは忘れてしまっても、どう説明してくれて、どうフォローしてくれたかは心に残ります。
断られたというのは事実のうちの1つとして受け止めますが、それよりもお客さまとご縁があったことに感謝をする。
お客さまがよくなっていけばいいという思いを抱く。そういう営業人のもとには、100%とは言いませんが、何人かのお客さまは戻ってきます。
和田 裕美
作家、株式会社HIROWA代表取締役
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