最高価格3億円超…新宿区の「タワマン」に暮らす人
階数20階以上、高さ60m以上の高層マンション、「タワーマンション(通称:タワマン)」。成功者の住居としてたびたびメディアに紹介されることから、そこでの生活はステータスとされる一方、〈酸っぱいぶどう〉でしょうか、どうやら「タワマン暮らし」に反感を持つ人も多数いる模様。
実際に生活している人から感想を聞く機会は少なく、「リアルな住み心地」についても興味のあるところです。
東京・新宿区による『タワーマンション実態調査』から、〈タワマン生活〉を垣間見てみましょう。
調査対象は新宿区内のタワーマンション42棟。真っ先に気になるのはその価格ですが、現在大手住宅ポータルサイトで掲載されている新宿区内中古タワマン159戸の平均価格は9,560万円(2022年10月17日現在)。最低価格は1Kの3,000万円台ですが、最高価格は3LDKの3億3,800万円。
東京・新宿、都心のタワーマンションともなると、平均価格も1億円に迫る勢いです。最高価格のタワマンは築15年ということからも、タワマンの魅力のひとつである資産性の高さがうかがわれます。この点を見れば、一般的なマンションに比べて高値で取引されているといえます。
タワマン入居者は、40〜60歳の現役世代が最も多く78.3%。続いて60歳以上の高齢者で13%。60歳以上が多いのは、1990年代に建てられた築20~30年ほどのタワマンです。タワマンに暮らす高齢者たちは、現役時代に新築で購入し、長年タワマン暮らしを続けているのです。40歳未満の若年層は、2000年代に建てられた築10〜20年のタワマンに多く居住しています。高額な新築ではなく、手ごろな中古でタワマン生活を満喫しているのでしょう。
タワマンに住んでよかった人「9割」だが…
同調査の「タワーマンションに住んでみて良かったか」という項目では、住民の90.5%が「良かった」と回答しており、「タワーマンションに住み続けたいか」の問いに対しても、69.6%が「いま住んでいるタワーマンションに住み続けたい」と回答しています。「ほかのタワーマンションに住みたい」との回答と合わせると、なんと8割近くがこの先もタワマン暮らしを望んでいるのです。
理由として多く挙がったのが、交通や生活(買い物、医療機関、教育機関等)の利便性。これを見ると、タワマンの特性云々以前に「立地のよさ」に関連する満足度の高さがわかります。
一方、タワマン暮らしにも不平不満はある模様です。たとえば、外国人所有者の問題です。タワマンは資産性の高さから外国人による投資の対象になることも少なくありません。場合によっては、住民の半数が外国人というケースもあります。同調査では53.6%が「外国人所有者に対して困ったことはない」と回答しているものの、残りの約半数は外国人所有者に対して、何かしら手を焼いたことがあるということでしょう。
最も多い問題が「ルールを守らない人が多い」で28.6%となっています。「投資目的で居住していないため連絡がとれない」「ひとつの部屋に不特定多数の人が居住している」といった声も。外国人所有者の割合はタワマンごとに差異がありますが、「外国人の割合が高い=マンション運営に支障が出やすい」という構図が見えてきます。
さらにしばしば問題となるのが修繕費です。建物の規模から修繕には莫大な費用がかかることが予想され、先を見据えた積立金は通常のマンションの2~3倍とも。それ自体にも不平不満が噴出しそうですが、同調査によると「今後の修繕積立金は足りていますか」の問いに対して、「足りない」とするタワマンが48%とほぼ半数。築10年程度の築浅のタワマンでさえ、3割がすでに「足りない」と回答しているのです。
また「建物や設備に不具合はありますか」に対しては6割のタワマンが「ある」と回答。その8割が修繕の予定を立てているものの、なかには「未定」というタワマンもあります。
ものによっては数百戸という規模になるタワマン。運営は簡単ではありません。ここ最近は工事費や資材が高騰しており、修繕費用の不足はますます深刻になりそうです。華やかでゴージャスなイメージの裏には、なんともいいようのない不安が潜んでいるといえるのです。
幻冬舎ゴールドオンライン編集部
「相続税の税務調査」に 選ばれる人 選ばれない人
>>1月16日(木)開催・WEBセミナー
カメハメハ倶楽部セミナー・イベント
【1/7開催】<令和7年度>
税制改正大綱を徹底解説
最新情報から見る資産運用への影響と対策
【1/8開催】オルカン、S&P500…
「新NISA」の最適な投資対象とは
金融資産1億円以上の方だからできる活用法
【1/9開催】2025年の幕開け、どうなる?日本株
長いデフレ環境を生き抜いたスパークスが考える
魅力的な企業への「長期集中投資」
【1/9開催】相続人の頭を悩ませ続ける
「共有名義不動産」の出口は“売却”だけじゃない!
問題点と最新の解決策を藤宮浩氏が特別解説
【1/12開催】相続税の
「税務調査」の実態と対処方法
―税務調査を録音することはできるか?
【見逃し配信special】