(※写真はイメージです/PIXTA)

モデルとなる他者の行動を観察することにより、それを観察している本人も行動が促進されることがあります。どうしても勉強のモチベーションが上がらない場合は、図書館に行って勉強するというのも1つの方法です。記憶力日本選手権大会6回の最多優勝者の池田義博氏が著書『世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

試験勉強を習慣化しようとしたが

■【相談】やる気が出ません

 

私から精緻化の話を聞いた山田さんは、『ありがとうございます。おかげさまで記憶法の基本的な概念は理解できました。家でも勉強で試してみます』と言って帰っていきました。

 

そのときは、私も「喜んでもらってよかった」と思いながら見送ったのですが、何と数日後、山田さんが私を訪ねてきたのです。何があったのか話を聞くと、また相談があるとのことで、内容は勉強がまったくはかどらないとのことでした。

 

あれから家で試験勉強を習慣化しようとしたらしいのですが、なかなかうまくいかないのだそうです。こんな状態では資格試験に間に合わないということで、居ても立っても居られず、また相談にきたというわけです。

 

まずは、具体的に話を聞いてみることにしました。現在の状況は次のようなものでした。

 

私から認知心理学的に効果的な記憶法の概念を教えてもらい、暗記に対する不安が減ったのはよかったのですが、かえってその安心感からか、机に向かう気持ちを作るのがなかなか難しくなってしまったとのことなのです。要するに、やる気を出すのが大変だというのです。

 

さらに、やっとのことで机に向かったとしても、いろんなことが気になって集中できず、勉強内容が頭に入ってこないという悩みもあるとのことでした。リラックスして集中力が増すようにと、音楽をかけながら勉強しているのですがまったく効果がないとのことです。

 

山田さんは、せっかく効率的な記憶の考え方を頭にインストールしたのに、それを活かせないのであれば意味がないと、がっくりきていました。さらに、そうなっているのは自分の気持の弱さだといって自分を責め始めたので、それは違うとアドバイスすることにしたのです。

 

皆さんも似たような状況になったことはありませんか? 山田さんの今の状況も、実は認知心理学的な考えで解決できます。その方法をアドバイスすることにしました。

 

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本連載は池田義博氏の著書『世界記憶力選手権グランドマスターの 驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法

世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法

池田 義博

日本能率協会マネジメントセンター

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