東京23区内であっても家賃相場は異なる
ただし、東京23区内であればどこでもいいのではありません。東京23区内であっても、立地やブームによって家賃相場や人気が大きく変わってきます。一般的に、東京の東側は家賃が低めで、西側で高くなっています。それは沿線の人気度合いと比例します。
後者の東京西側はJR中央線や京王線、井の頭線、東急東横線、東急田園都市線など賃貸で人気の沿線エリアす。このエリアは家賃が高くとれるのは確かですが、物件価格も高くなるので、利回りが低くなる傾向があります。
また、一時期の東京スカイツリーの開業や今の湾岸エリアのタワーマンションなど、その時々でブームともいえる現象が見られました。新型コロナ禍以降テレワークの促進に伴って郊外が見直されている傾向も一部にありますが、こうした一時的な傾向や目先の流行にとらわれることなく、長い目で見てワンルームマンションの資産価値がある立地を選ぶように心がけていきましょう。一度選んだ立地は、後からどんなに変えたくても自分の力で変えることはできませんから。
■利回りに騙されない!
先に「高利回り物件の危うさに気をつけるように」と書きましたが、もう一つ気をつけてほしいのは利回りです。利回りには「表面利回り」と「実質利回り」があります(下図参照)。表面利回りとは家賃収入の年間合計金額を物件取得金額で割ったもの、これに対して実質利回りとは、管理費や修繕積立金などの支払うべき経費を引いてから算出した、手取りの利回りです。
確かに利回りは高いほうが魅力的で目を惹きますが、表面利回りは絶対に得られない“幻の収入”であることも事実です。そんなことわかっていると思われるでしょうが、多くの不動産会社の募集広告は表面利回りで計算されているので錯覚しがちです。
もう一つ「想定利回り」という表記もよく見られますが、これは家賃が想定される、つまり今現在、入居者はいないが、「この家賃が取れるでしょう」と想定したもので、シミュレーション上は高めの家賃を計上して利回りを高く見せる傾向があります。〝捕らぬ狸の皮算用〟的なあやふやな数字です。
シミュレーションの数値が高めの家賃だから、今現在入居者が入っていないということになるのではないでしょうか。
私たちが受け取れるのはあくまでも諸経費を差し引いた手取りのみですから、不動産会社の営業戦術に惑わされないようにくれぐれも気をつけてください。
飯田 勝啓
マンション管理士
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