サラリーマンの不動産投資の失敗は許されない
■ワンルームを選ぶなら東京23区に限る!
資産としての不動産を購入するにあたっては「立地がすべて!」とは言わないまでも、「立地の要素がかなりの部分を占めている」ことは確かです。
なぜなら、マンション室内の内装は購入後にお金をかければ、模様替えしたり、新しい設備に付け替えたりして、いくらでも変えることができるからです。例えば床をちょっと高級感のあるフローリングにしたり、3点式ユニットバスを使いやすく人気のある「バス・トイレ分離タイプ」にするなど、いかようにもできます。
しかし「立地」はそうはいかないのです。文字どおり「不動産」なので、一度決めた立地を動かすことはできません。物件を購入する前には立地をしっかりと吟味し、そのマンションの価値を見極めることが重要なのは当然です。
その観点からいえば、購入先として狙うのは東京23区に限ります。よく郊外や地方都市のワンルームマンションの広告で、価格が500万円以下や表面利回りが15%超や20%近い物件を目にすることがありますが、惑わされてはいけません。
なぜなら、価格が安いのにはそれなりの理由があるからです。郊外の駅からバス20分とか徒歩25分など、あなた自身がそこから通勤することを考えれば、その利便性と物件の価値はおわかりになるでしょう。
これは、そもそもその物件を購入する人がいない(少ない)、つまり需要が少ない(流通しない)、だから安い価格でしか売れないという負の構図がみえてきます。数年前の「かぼちゃの馬車」事件もそうでした。その△△投資セミナーに参加すると、なんとなく儲かりそうだという気になってしまうようですが、このご時世にそんなにおいしい条件の話はなく、高利回りなど好条件であればあるほど、疑ってかかるべきだと思います。
サラリーマンが副業的にワンルームマンション投資を始めるのであれば、失敗は許されません。そうならないためにも、利回りだけを重視した物件に手を出すのは避けるのが無難です。
新型コロナ禍によるテレワークの普及で郊外のマンションが注目されるなど、一時的な変動があったことは事実です。しかしこうした変動があったとしても、日本の人口減少がじわりじわりと進行し、今後もさらなる人口減少が避けられない中で、地方経済はさらに厳しくなり、東京圏へ人口が集中する傾向がさらに強くなるでしょう。
また不便な郊外から都心への回帰の流れも続いていくことでしょう。だからこそ、地方や郊外の高利回り物件を追わず、堅実に東京23区内の立地に絞って投資することを奨めます。