数値報告会議をするにしても時間配分に強弱をつける
●各活動単位の責任者全員が決められた時間内でそれぞれ報告する
会議のあり方としてはどちらも考えられますが、できれば前者のほうが会議にかける時間を効果的なものにできるのでお勧めしたいところです。
しかしそのためには、経営者が会議の「前」に全体数値に目を通し、焦点を当てるべきポイントをピックアップしておく必要があります。
現実的には、ただでさえ数値が出てくるタイミングが遅いのでそれは難しく、実際は後者のケースが多いように思います。経営者にとって会議がはじめて前月の業績を把握する場となるため事前の検討ができないのです。
また、報告者が会議の準備をしてしまっているので、会議中のタイミングでは詳細な報告不要と思う部分があったとしても、途中で遮るのはためらわれます。長めにこの点を深掘りしたいのに、と思っても、各報告時間が決まっているので、会議中での深掘りは難しいかもしれません。
子会社も含めて10人以上が延々と報告していく会議に半年程度継続して参加したことがありますが、ちょっとした修行の場でした。
各活動単位のサイズや、やっていることはバラバラなのですが、それぞれにドラマがあり、各責任者は自分の活動単位に責任とプライドを持っていますので、それなりの内容の報告になります。
そうすると、全部の内容に厚みがあり、報告を受ける側としても時間がかかるうえ(だいたい昼スタートで夜まで)、相当疲弊します。報告を受ける経営陣のなかには、自分と関係ない事業の報告を受ける時間もあり、退屈な思いをしていた人もいたかもしれません。
ちなみに私は、利益体質を強化するためには、経営者(特に社長)は細かい部分まで活動単位をブレークダウンして会社の状況を把握するべきと考えていますので、このような会議の形を否定するわけではありません。
しかし、少し俯瞰して全体を見ると、「その報告についてカットしても全社的にはまったく影響がないだろう」という内容が多々含まれていることに気づきます。