経営者が各活動単位の業績をいち早く把握するため、多くの会社では数値の報告会議が行われています。しかし、単に経営者が業績数値を報告してもらうだけの会議であれば必要ないと、KMS経営会計事務所の代表である公認会計士・税理士の川崎晴一郎氏はいいます。ムダを省いた効率的な会議の方法とは……みていきましょう。

業績数値を説明してもらうだけの報告会議はいらない

ある程度の規模の会社になると、経営会議や部長会などで数値の報告会議(以下この節の文中では、単に「会議」といいます)を行っているでしょう。通常は、売上高から営業利益までの数値をメインとして、早くて翌月の中旬程度に報告される感じでしょうか。

 

各活動単位の責任者に時間が割り当てられ、それぞれが関連する数値、活動報告、今後の見通しといったところを順番に報告していきます。

 

なんのための数値報告会議か

このような会議は、経営者が各活動単位の業績をいち早く把握するために行います。

 

経営者は、売上や一部の経費などの断片的な数値を事前に把握できているかもしれませんが、売上高から営業利益に至る一連の損益情報については、この会議のタイミングではじめて把握できるようになります。

 

経営判断のためには正確な状況把握が必須ですから、このような会議が重要なのです。

 

しかし、経営者がタイムリーに業績を把握して、都度都度担当者に気になることを確認できる仕組みがあったらどうでしょうか。

 

みんなで顔をそろえて数値を報告し合い、状況を共有するといった「コミュニケーション目的」の会議であれば別ですが、「経営判断目的」の会議であれば、それ自体がいらなくなるかもしれません。

 

事実、「秒速決算(※)」を導入している会社で、このような会議を開催しなくなった会社もあります。経営者や管理者が会議なしでも数値を把握でき、タイムリーに経営判断ができるようになったためです。

※日常に把握すべき数値(営業利益など)をターゲットにして、その数値をタイムリーに集計すること

 

「秒速決算」を導入すると、数値集計がオンライン化されたうえで即時共有されるので、わざわざ会計ソフトやExcelから成果物を抽出(印刷など)してもらわなくても、自分の好きなタイミングで数値を見にいくことができるようになります。

 

いつでもどこでも数値を把握して気になるポイントをタイムリーに潰せるようになったら、会議の時間は必要なくなるのかもしれません。

 

次ページ時間配分に「強弱」をつけることが肝

※本連載は川崎晴一郎氏の著書『秒速決算 ~スピーディに人を動かす管理会計で最高の利益体質をつくる!~』(技術評論社)より一部を抜粋・再編集したものです。

秒速決算

秒速決算

川崎 晴一郎

技術評論社

内容紹介(出版社より) 「月次決算待ちだった経営者が、末端部門の数値までもタイムリーに把握できるようになる」 「儲かる仕事を見定め、社内リソースを適時配分することがスムーズになる」 「経営陣と経理のものだった数…

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