会社が苦境に…「改善できる経営者」と「悪化させる経営者」の決定的な差【公認会計士が解説】

会社が苦境に…「改善できる経営者」と「悪化させる経営者」の決定的な差【公認会計士が解説】

自社の業績が振るわず、苦境にたたされた経営者……ここで「企業を成長に転じさせることができる経営者」と「さらに悪化させてしまう経営者」には、ひとつの決定的な違いがあると、KMS経営会計事務所の代表である公認会計士・税理士の川崎晴一郎氏はいいます。その違いとはいったいなにか、詳しくみていきましょう。

「やめる」という選択は難しい

経営者のみができる重要な決定の1つに、「やめる」ことを決める、があります。いきなりネガティブっぽい内容から入ってしまいました。

 

しかし、これができない経営者によって苦境に陥ってしまっている会社を何社も見てきました。また、これがタイムリーにできているために会社の新陳代謝が正常に機能して、ずっと成長し続ける会社も何社も見てきました。

 

私がクライアントから利益を伸ばすためのアドバイスを求められた場合、たとえ全体的に儲かっていたとしても、最初に考えるのがこの内容です。

 

各数値を見ながら「何かやめられることはないかな」と。ちなみに、再生会社の再生計画で1番はじめに検討されるのが「やめる」選択です(というよりも、その検討がほぼすべてです)。

 

つまり、経営者が自主的に「やめる」選択ができずに苦境に陥ったものの、他人(再生アドバイザーなど)の半強制的なアドバイスで「やめる」選択をする結果、その会社は復活できるということです。

 

自主的に「やめる」選択ができていれば、再生会社にならずにむしろ成長できていたかもしれません。

 

ところで、なぜ苦境に陥る経営者は「やめる」選択ができないのでしょうか。それは、1度始めたことをやめるのは難しいことだからです。

 

●なぜやめなければならないのか腑に落ちない(1度始めたことをやめるのはそもそも精神的につらい、やっていることを全部成功させればよいのではと思う)

 

●やめるべきこととはどのようなものかを特定するのが難しい

 

●やめるべきことが特定されたところで、どのようにやめたらよいかわからない

 

といった事情が重なるのです。

 

次ページなぜ経営者の「やめる」という選択が重要なのか

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    ※本連載は川崎晴一郎氏の著書『秒速決算 ~スピーディに人を動かす管理会計で最高の利益体質をつくる!~』(技術評論社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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