〈予算=ノルマ〉の考えは危険…会社の存続を左右する「数字の捉え方」【公認会計士が解説】

〈予算=ノルマ〉の考えは危険…会社の存続を左右する「数字の捉え方」【公認会計士が解説】

日常に把握すべき営業利益をターゲットにして、その数値をタイムリーに集計する「秒速決算」。経営者を筆頭に各社員が「秒速決算」の意識を持ち、一丸となって予算を達成することが「会社存続の原動力」につながると、KMS経営会計事務所の代表である公認会計士・税理士の川崎晴一郎氏はいいます。一般的に「ノルマ」と捉えられてしまいがちな予算について、それぞれがどう捉え、向き合うべきなのでしょうか、みていきます。

「予算」という言葉を使用する意図

ところで、「予算」「計画」「目標」と、短期の数値計画という意味では一般的に同じような意味で使われるこれらの単語の中で、本記事では主として「予算」という表現を用います。

 

それは、「秒速決算」で集計される実績値(ないし実績を踏まえた予測値)と対比するうえでは、予算という表現が一番なじむためです(予実管理、予算実績差異分析など)。

 

私自身この領域の専門学者ではありませんし、ことさら単語の定義にこだわりがあるわけではありません(むしろニュアンスさえ伝わればどうでもよいくらいです)。色々な表現が用いられるなかであえて「予算」という単語が多くなるのは、そのような理由からという点をご理解いただければと思います。

予算の存在自体が会社の予算達成を楽にする

予算とは、スタート地点で教えてもらうゴールであり、そしてそのゴールへの道しるべのようなものです。

 

たとえば、オリエンテーリングか何かで、制限時間内にけもの道を進んでゴールにたどり着かなければならない場合を想像してみてください。予算がある状態というのは、まさに、スタート時点でGPS対応のスマホが渡され、ゴール地点と現在地がスマホ上で点滅しているような状態です。

 

途中で通過するべきポイントも示されています。実際に道を歩いたら木が倒れていてコースをふさいでいるかもしれませんし、坂道がとても急かもしれません。雨が降ってきて道がグチャグチャになってしまうかもしれません。

 

しかし時間内にゴールしなければならない状況下、何とかして進まなければならないことは変わりません。そんなときに、ゴールやそこに至る道しるべを示したもの(GPS対応のスマホ)があったらどれだけ楽でしょうか。

 

向かうべきゴールの場所や途中の道しるべをスタート地点からわかっているほうが、効率的にゴールにたどり着けるのはいうまでもありません。

 

予算は会社にとって単年度ごとのゴールであり、そのゴールへの道しるべそのものです。一般的に予算とは、1年間の利益計画を具体化したものです。

 

そして予算には同時に、四半期や月次などにブレークダウンした細予算(注3)がセットになります。細予算は、年度予算を達成するための道しるべです。

 

ゴールはいきなり達成できませんので、順を追ってゴールに向かっていくことが現実的です(細予算は達成できなくても、最終的に年度予算を達成すればよいのでゴールではなく道しるべという扱いです)。

 

このように予算はゴールを示すとともに、その達成の道しるべとして機能しますので、予算の存在自体が予算達成のために役に立つのです。

 

(注3)細予算:「細予算」という用語は一般的なものではありません。一般的に予算は年間予算を指すことから、本書では、それより細かい単位である四半期や月次の予算を総称して「細予算」と定義づけしてみました。なお、四半期や月次の予算はそれぞれ四半期予算、月次予算と呼ばれることが多いでしょう。

 

 

川崎 晴一郎

公認会計士・税理士

KMS経営会計事務所・株式会社KMS代表

あなたにオススメのセミナー

    ※本連載は川崎晴一郎氏の著書『秒速決算 ~スピーディに人を動かす管理会計で最高の利益体質をつくる!~』(技術評論社)より一部を抜粋・再編集したものです。

    秒速決算

    秒速決算

    川崎 晴一郎

    技術評論社

    内容紹介(出版社より) 「月次決算待ちだった経営者が、末端部門の数値までもタイムリーに把握できるようになる」 「儲かる仕事を見定め、社内リソースを適時配分することがスムーズになる」 「経営陣と経理のものだった数…

    人気記事ランキング

    • デイリー
    • 週間
    • 月間

    メルマガ会員登録者の
    ご案内

    メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

    メルマガ登録
    TOPへ