(※写真はイメージです/PIXTA)

10月11日からは1日の入国者数上限が撤廃され、昨今の円安の影響もあり約2年半ぶりに海外観光客が押し寄せそうです。外国人だけではなく日本人の検疫もスムーズになり、旅行ブームに火が付く予感がします。この環境の下、先行する世界の投資家からは、航空機への投資が再び脚光を浴びています。コロナ禍後のインフラ投資戦略として、なぜ航空機が有望視されているのか、航空業界ではいったい何が起きているのか──本連載では、そんな「航空機投資」の魅力をプロが徹底解説します。第1回目となる本稿では、キャッシュフロー投資の基礎となる「豚よりも牛」という哲学について取り上げます。

キャッシュフロー投資戦略視点での「乳牛への投資」 重要ポイント3つ

さて、先程の乳牛に話を戻しましょう。キャッシュフロー投資戦略の視点で乳牛への投資を考える時は以下の3点が特に重要になります。

 

① 適切な(質の良い牛乳を長く・たくさん出せる)品種を選ぶ

 

キャッシュフロー投資において最も重要なテーマは「どの牛を飼うのか」に尽きるといっても過言ではありません。ただし、その評価において選ぶべき牛は「質の良い牛乳(キャッシュフロー)を安定かつ長期にわたって生み出す」品種であるべきであり、「肉が高く売れる」とか「革の品質が良い」といった特徴を主たる評価基準とすべきではありません。

 

なお、乳牛であれば品種によってある程度は生み出す牛乳(キャッシュフロー)の予測を立てることが可能ですが、そうでない商品や資産の場合はそれぞれ個別の評価をしっかりとやっていくことになり、調査・検討に時間がかかったり、そもそもの投資機会を得ることが難しくなったりすることでしょう。

 

② 複数の乳牛を(年齢や大きさ、品種)バランス良く飼う

 

買うべき品種を絞り込んだら、その次は実際に乳牛を飼っていくことになるのですが、次の課題としては「何歳」の乳牛を「何頭」買うべきかとなりますし、さらにできれば「品種」も複数選択すべきです。

 

その理由としては牛乳のトレンドが変わるリスクへの対策や、チーズやヨーグルト向きなど牛乳の売り先にバリエーションを持たせることで収益の安定性を増すことができるからです。年齢については特に説明はいらないと思いますが、若ければ長く安定した牛乳(=キャッシュフロー)を得ることができるでしょうし、年をとっていた場合は牛乳がいつ出なくなるかわからないというリスクがある一方、おそらくは安く購入することができるでしょう。若い乳牛も年をとった乳牛もそれぞれよさがあると思います。

 

しかしながら、キャッシュフローに注目する場合は、やはり若い乳牛を複数購入するほうがよいといえるでしょう。長く安定して牛乳(=キャッシュフロー)を得ることができますし、病気やそのほか不慮の事故といったトラブルも最小化できるからです。

 

③ 目利きの専門家と協力して愛情を持って育てる

 

事前調査が終了し飼うべき品種や何頭飼うかの戦略が決まったあとは、実際に乳牛を購入して育てていくことになりますが、ここで大事なのはスキルを持った信頼できる専門家とのパートナーシップです。市場に売りに出ている乳牛の目利きだけでなく、買った乳牛の世話、さらには売却などのさまざまなシーンにおいて、信頼できるパートナーや専門家の存在は極めて重要です。購入するときには健康で状態の良い乳牛を選ばなければいけませんし、牛舎等のインフラや牛乳の販売、病気の対応などやるべきことは多岐にわたります。

 

したがって、いうまでもありませんが購入した乳牛はどこか信頼できる牧場に任せるのが品質・コストの両面からも推奨されるやり方ですし、また、スキルのある牧場は乳牛を購入する時の見極めや売却先を検討する際にも大きな力になってくれると思います。さらに、育て方や愛情のかけ方は生み出す牛乳(キャッシュフロー)にも大きく影響していくことでしょう。

 

ここまで乳牛を例にキャッシュフロー投資戦略について説明しましたが、ここで触れたコンセプトや評価手法はもちろんほかの事業資産においても同様に適用可能なものです。

 

先にも触れましたが、事業用不動産(オフィスビルや賃貸住宅など)、インフラ(発電所
や高速道路、太陽光発電など)、そして航空機がキャッシュフロー投資戦略との親和性の
高い事業資産になります。

増補改訂版 無敵のグローバル資産 「航空機投資」完全ガイド 

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航空機投資研究会、荒井 邦彦、野崎 哲也

幻冬舎メディアコンサルティング

「航空機が投資の対象になる」 世界中の金融機関や個人投資家が注目する「航空機投資」の魅力を徹底解説! 世界経済に大きな影響を与えた新型コロナウイルス 航空業界では何が起きたのか―― コロナ後の投資戦略として…

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