(※写真はイメージです/PIXTA)

10月11日からは1日の入国者数上限が撤廃され、昨今の円安の影響もあり約2年半ぶりに海外観光客が押し寄せそうです。外国人だけではなく日本人の検疫もスムーズになり、旅行ブームに火が付く予感がします。この環境の下、先行する世界の投資家からは、航空機への投資が再び脚光を浴びています。コロナ禍後のインフラ投資戦略として、なぜ航空機が有望視されているのか、航空業界ではいったい何が起きているのか──本連載では、そんな「航空機投資」の魅力をプロが徹底解説します。第1回目となる本稿では、キャッシュフロー投資の基礎となる「豚よりも牛」という哲学について取り上げます。

すべては「どれだけキャッシュフローを生むことができるか」

投資の基本を表す格言の一つとして「豚よりも牛」という哲学を持った投資顧問会社があります。「牛」は食肉用の牛ではなく乳を搾るための乳牛のことで、豚は食肉用の豚を指しています。この格言の意味は、豚(=豚肉)ではなく牛(=乳牛)へ投資をすべきであり、そして牛へ投資するというのは肉を売るためではなく、牛乳を搾るための投資であるという哲学です。

 

この投資顧問会社の運用戦略にインフラ投資があるのですが、例えばこれをパイプラインへの投資に当てはめると、石油や天然ガスそのものへの投資は豚を飼う(買う)ことにあたり、石油や天然ガスを運ぶパイプラインに投資することが乳牛を飼う(買う)ことにあたります。石油や天然ガスを買い、ただ単に値上がりを待つのではなく、パイプラインが使用されることに伴って生まれる利用料(=牛乳)を得ることを目的として投資を行うことをよしとする考えです。

 

さらに豚も乳牛も飼っている限りは餌を食べます。豚は将来高く売るために、乳牛はいい牛乳を出してもらうために、毎日たくさんの餌を食べさせなければいけません。乳牛は牛乳を売った収入で餌代を賄うことができますが、豚は売るまで餌を与え続けなければなりません。したがって、豚を飼った場合は手放すまで餌の費用を負担し続けることにも気をつける必要があります。

 

もし、何らかの理由で餌を与えることができなくなった場合は、望んでいないタイミングや値段で飼っている豚を手放すはめになるでしょうし、最悪の場合は豚が死んでしまうこともあります。

 

乳牛への投資は、牛乳を得ることが目的です。そして、乳牛の値段(価値)は将来にわたって絞ることができる(と期待される)牛乳から得られるキャッシュフローの総量で決定します。もし、途中で乳牛を手放すことになった場合は、その時点で期待される総キャッシュフローで次のオーナーに譲ることになるでしょう。

 

したがって、すべてはどれだけキャッシュフローを生むことができるかという点にかかっており、そこに着目して投資を設計・実行・管理していく、この投資戦略を我々はキャッシュフロー投資戦略と呼んでいます。

 

キャッシュフローに注目するといっても、基本的にはほかの投資戦略と同じく、外部環境分析や成長性分析、コスト分析にリスクの把握といった情報収集の重要性は変わりません。

 

なにか魔法や手品のようなノウハウや仕組みがそこにあるわけではありませんが、視点の持ち方によって違った側面が見えてきたり、これまでとは異なる評価を行うことができるようになったりすることは、投資だけに限らずに実生活でもよくあることかと思います。

次ページキャッシュフロー投資戦略視点での「乳牛への投資」 重要点3つ

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