(※写真はイメージです/PIXTA)

10月11日からは1日の入国者数上限が撤廃され、昨今の円安の影響もあり約2年半ぶりに海外観光客が押し寄せそうです。外国人だけではなく日本人の検疫もスムーズになり、旅行ブームに火が付く予感がします。この環境の下、先行する世界の投資家からは、航空機への投資が再び脚光を浴びています。コロナ禍後のインフラ投資戦略として、なぜ航空機が有望視されているのか、航空業界ではいったい何が起きているのか──本連載では、そんな「航空機投資」の魅力をプロが徹底解説します。第5回目となる本稿では、航空機の供給大手2社、ボーイング社とエアバス社による寡占状態について見ていきます。

大手2社による寡占供給(高い参入障壁)

航空機の価格安定性に寄与するいくつかの要因として、航空機の供給が大手2社による寡占市場であることが挙げられます。

 

航空機メーカー(OEM)の代表的な企業は、ボーイング社(アメリカ)、エアバス社(EU)、ボンバルディア社(カナダ・2020年に民間機事業をエアバス社に売却)、エンブラエル社(ブラジル)ですが、中でもボーイング社とエアバス社の2社が強力に市場をリードしています。エアバス社はこの20年でマクドネル・ダグラス社のシェアを奪うような形で一気にシェアを伸ばしました。

 

航空機市場は戦後長い間アメリカ企業(ボーイング社とマクドネル・ダグラス社、過去にはロッキード社も民間航空機を製造)によってほぼ独占状態が続いていましたが、この状況に危機感を持った欧州諸国のサポートを受けたエアバス社は急ピッチでシェアの獲得に成功し、現在はボーイング社と熾烈な開発競争を繰り広げるまでに成長しました。

 

その結果、ボーイング社とエアバス社の2社が占めるシェアは年々増加しており、2019年末のシェアは98.3%と2社による寡占市場が形成されています。

 

堅調な航空旅客需要を受け、ボーイング社もエアバス社も積極的に生産(デリバリー)数を増加させてきました。両社とも歴史的に年間200~400機ずつ航空機をデリバリーしてきましたが、年々生産能力を増強しており、2018年には各社800機前後と記録的な純増数を実現しています。航空機は毎年退役する機体もありますので、デリバリー数で見てみるとボーイング社が806機(ナローボディ:580機+ワイドボディ:226機)、エアバス社は800機(ナローボディ:646機+ワイドボディ:154機)でした。

 

各社ともに1日2機以上コンスタントに製造した計算になり、あれだけ巨大な航空機が毎日数機ずつ製造されているとはなかなか興味深い数字ではないでしょうか。

 

近年では座席数が100席に満たないリージョナルジェット機の分野で世界的な新規参入の動きがあり、ボンバルディア社(2020年に民間機事業をエアバス社に売却)とエンブラエル社の牙城を崩さんと、スホーイ社のSSJ(ロシア)、中国商用飛機のARJ(中国)がしのぎを削っています。

 

加えてさらに小さなビジネスジェットと呼ばれるカテゴリーでは、本田技研によるホンダジェットがデリバリーを開始し世界的なヒット機となっていることがさまざまなメディアでも取り上げられ、多くの方が見聞きされたことかと思います。

次ページ日本企業における航空機製造の位置づけは?

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