(※写真はイメージです/PIXTA)

「勉強し続ける人だけが得られる、大切な力」があります。勉強をして一流大学に入るまで意志を貫き通したという経験が、自己肯定感をもたらし、人生を前向きにしてくれたといいます。9浪して27歳で早稲田大学に合格した濱井正吾氏が著書『浪人回避大全 「志望校に落ちない受験生」になるためにやってはいけないこと』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

プロ野球選手になれる人は0.16%ほど

▶「学歴」著名人が言う「学歴は関係ない」を信じる/重要度★★☆☆☆

以前の項目で「勉強や学歴は関係ない」という説を否定する理由を例を挙げて説明しました。

 

では、有名人はどうなのでしょうか? 例えば、文化・芸術関係で活躍している方々の中には、学歴と関係のない世界線で生きているように思える人も多数見受けられます。ここでは、勉強と一見正反対のように思えるプロスポーツ選手の事例をご紹介しましょう。

 

例えば、2019年度に高校・大学を卒業した野球部員は合計で5万人以上。この年、高卒・大卒でプロ野球選手になれた人は育成指名選手を入れても86名。計算すれば、0.16%ほどの確率でしかプロ野球選手にしかなれないということになりました。プロサッカー選手になれるのも、0.1%程度です。

 

2020年のセンター試験の受験者から東京大学合格者の割合を算出しても0.55%(55万6799名中3083名合格)。単純比較はできませんが、東大に入るよりもプロスポーツ選手になるほうが難しいと言えるかもしれません。成功する者はさらに一握りです。

 

それでも、そこで厳しい競争を勝ち抜いて上り詰めた者は並のサラリーマンの生涯年収2〜3億円を1年で稼いでしまうような億万長者になります。

 

ここまで来ると、もうそれだけで生涯分の稼ぎは余裕で得て、勉強の介入する余地などないかもしれません。いえ、それでも私は勉強するべきだと思います。たとえ成功者になれそうでも、成功者になってからも一生勉強は必要だと確信しています。

 

なぜなら平均寿命が80歳を超える今の時代でも、スポーツ選手は多くの競技で、長くても半分の40歳くらいまでしか第一線で活躍できないからです。水泳やフィギュアスケートなど、20代までが限界という競技もありますしね。

 

また、お金の使い方についてもそうです。

 

ストイックに努力を重ねた人間が、プロの世界で成功するといきなり大量のお金が入ってきます。毎年安定した額がもらえるわけではなく、1年しか保証されていない破格の給料を、お酒の付き合いや女遊び、車など高額な趣味に費やす人も珍しくありません。

 

しかし、日本は高所得者ほど翌年に大量の税金を取られます。これを知らずに次の年にお金が残らず、億を稼ぎながらも貯金がほとんど残らない、もしくは借金を積み上げるといった選手も珍しくありません。

 

お金は自身や関わる人々を豹変させます。だからこそ、自分の身は自分で守らないといけません。そんなときだからこそ、勉強で得た知識や、勉強の過程で得る物事を調べる習慣・問題解決能力は人生において必要なのです。これらは入れ替わりが激しい文化・芸術関係の芸能人にも当てはまります。

 

甲子園で2回優勝した高校時代から授業で一度も寝ずに勉強をしていたという桑田真澄さんは、プロ野球選手を引退してから早稲田大学大学院で勉強をした後、東京大学やBCリーグでの特別・臨時コーチを経て読売ジャイアンツで投手コーチをするといった大人の学びを生かしてうまく第二のキャリアを構築しています。

 

こうしたスポーツ選手の学び直しなどが、どんどん認められていく時代の空気ができれば、より多様性に富んだいい世の中になっていくのではないかと思っています。

 

次ページ成功体験が人生を前向きにさせた

本連載は濱井正吾氏の著書『浪人回避大全 「志望校に落ちない受験生」になるためにやってはいけないこと』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

浪人回避大全

浪人回避大全

濱井 正吾

日本能率協会マネジメントセンター

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