(※写真はイメージです/PIXTA)

赤字がかさんで経営者が交代した予備校はが「論理を身につけたら大学に行く意味がない」「地元にいるほうがいい」と過激なことを言うようになったといいます。9浪して27歳で早稲田大学に合格した濱井正吾氏が著書『浪人回避大全 「志望校に落ちない受験生」になるためにやってはいけないこと』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

進学実績がある予備校の広告はクリーン

▶「塾・予備校」過激な広告を出す塾や予備校を選ぶ/重要度★★☆☆☆

SNSで有名になった受験サービスを鵜呑みにするのはよくないという話をしました。これは当然、オールドメディア……テレビや新聞、公共交通機関などに貼られている広告の内容でも考えられます。

 

皆さんも、ふと歩いていると広告に書いてある過激な文言が目に留まり、足を止めて見てしまうことはありませんか。

 

そのような行動を取る理由は、当たり障りのないキャッチコピーではなく、過激であったり、常識に議論を投げかけたりする文言の物珍しさが印象に残ったからだと思います。予備校でもこうした広告を出しているところがありますよね。

 

このような広告に足が止まるような予備校は、果たして本当に信用できるのでしょうか。もちろんそれだけでは判断できませんが、その内容が奇抜で挑発的であればあるほど危ないと思います。

 

受験勉強をする層やその家庭はそれだけで日本人の上位の学力を持っていますのであまり気にしたこともないかもしれませんが、実は自分で文章の内容を咀嚼したり、わからない言葉を調べたりする習慣がある人の方がマイノリティなのです。 そして、このように自分の頭で考える習慣があまりない方には、簡単な言葉で、常識を疑うような過激な言葉を投げかけると簡単に集客できます。

 

努力せずとも楽に利益を享受したいという姿勢を持つ傾向が基本的には強いでしょう。だからこそ、オールドメディアが白と言えば白、黒と言えば黒とみんな信用してしまうのです。少なくとも私は早稲田に来てからマルチ商法やカルト宗教に騙されている人に会ったことがありませんが、地元には大勢いました。

 

私の体験も紹介しましょう。

 

私が以前通っていた地元の予備校は、赤字がかさんで経営者が途中で交代した経緯があります。京都・大阪・神戸の予備校で教えている講師をわざわざ2時間かけて呼んでいたので、講師のコストはかかるものの、田舎には似つかわしくない素晴らしい授業をしていただける予備校でした。当時の私の学力がもっと高ければ、よりその恩恵は享受できたと思います。

 

ですが、経営者の交代を機に「論理を身につけたら大学に行く意味がない」「地元にいるほうがいい」と過激なことを言うようになりました。それでも、予備校には以前よりも入塾者が増え、赤字経営を立て直せたのです。

 

これは、学力の高い層を対象としてサービスを提供していた予備校をテコ入れし、学力の低い層向けに転換したことが大きな理由でしょう。

 

地域の学力レベルが低く、大勢の方が大学に行く習慣がない私の地元では、情報がないという不安につけ込んで、努力しなくてもいいよという救いの糸を垂らす言葉に引っかかる家庭が潜在的に多かったのです。

 

ちなみに河合塾や駿台予備学校などの大手予備校は戦前からの歴史を誇るため、広告がクリーンです。広告集客に躍起にならなくても、過去から現在に至るまでの生徒の進学実績が質の高さを証明しているから大丈夫なのでしょうね。

 

私はこうした人の心の隙につけ込み、お金を騙し取るやり方に嫌気がさしたので、受験勉強を通して自分で考え、自分の力で生きていく必要性をより実感できたのです。

次ページ合わない予備校の授業は復習の時間に充てた

本連載は濱井正吾氏の著書『浪人回避大全 「志望校に落ちない受験生」になるためにやってはいけないこと』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

浪人回避大全

浪人回避大全

濱井 正吾

日本能率協会マネジメントセンター

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