多くの受験生は偏差値を絶対視している
▶「合格点」合格最低点のチェックを1年分だけにする/重要度★★★☆☆
多くの受験生が塾や予備校の偏差値表を参考にしていることをお伝えしました。
実際、私が今までに通ったことや、アルバイトで関わったことのある予備校は、いずれもある予備校の入試難易予想一覧表のコピーを置いていました。母数の多いその予備校の偏差値は、予備校でも信憑性があると採用されているのです。
どういうわけかここに置かれている偏差値表は1年分であることが多いように感じます。前年度の偏差値表は無関係なデータであるとみなされるのか、いずれの予備校でも置いてありませんでした。ですが私は、正確な偏差値分析をするならば、昨年度、一昨年度のデータも見て検討するほうが絶対にいいと思います。
しかし、困ったことにその予備校の偏差値が確認できる旺文社のサイト「大学受験パスナビ」では過去の偏差値は確認できません。打つ手はないのでしょうか……いえ、あります!
このサイトに掲載されている過去3年分の合格最低点を見ましょう。
そのデータを用いて試しに分析をしてみます。先ほど、大学の偏差値が大きく変動したことを述べましたが、その傾向は続きません。
例えば2018年度に偏差値が10も上がった同志社大学社会科学部の社会福祉学科。この学部・学科は合格最低点が一時的に高くなっていますが、過去3年分の合格最低点は、いずれも他の学部や学科に比べても低めの数値でした。つまり、例年は不人気な傾向があるのです。
結局、2018年度に227人が志願したこの学部学科は、2019年度の志願者は83 人と1/3ほどに激減し、倍率も7.0倍から5.3倍と減少していました。
もともと不人気で全国的に偏差値が低めである福祉関係の学科にもかかわらず、この年の社会福祉学科は前年度に出願が殺到して、他学科よりも一時的に高くなっていました。
普通の受験生であれば、不人気な学科の「偏差値62.5」は避けるという選択をするでしょう。
だからこそ、そこで一般的な受験生の思考を想像し、それを逆手に取って、どうしても同志社に入りたい人はこの学科に特攻するくらいの勇気を持ってほしいと思います(ちなみに、2021年11月29日時点での同学部学科の学部個別日程の偏差値もやはり57.5と、60が多い他学科よりも低い水準でした)。
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