志願者が急増して偏差値が大幅アップ
▶「偏差値」偏差値を額面どおりにとる/重要度★★★★★
偏差値を額面どおりに捉えると痛い目に遭います。
もっとも正確に現時点での実力を教えてくれるのは、受験者数が最も多い模試でしょう。そして現在、その受験者数が最多の模試から割り出される2.5刻みの偏差値表(旺文社のサイト「大学受験パスナビ」で見られます)は大変信憑性が高いです。
ですが、この偏差値表を参考にしてもいいですが、鵜吞みにしないようにしましょう。なぜなら全国のライバルが自身の実力と照らし合わせて参考にしているからです。
したがって、数値を考慮した上で「他の受験生はこう考えるはずだから、自分はそれを逆手に取る!」という考え方が重要なのです。
実例を挙げましょう。私は2017年に受けたある模試で、3教科合わせての偏差値が69.7でした(国語国文学科の得点配分だと70.3)。
私が志望していた教育学部国語国文学科は62.5だったのでA判定。今までA判定どころかC判定すら一度も取ったことがなかった私とってはにわかには信じがたい結果で、とても嬉しかったことを昨日のように覚えています。
ただ、判定ほど油断はできないとも思いました。
A判定の出た教育学部は早稲田大学で一番多くの学科を有し、その学科ごとに偏差値が出る学部です。2017年度の偏差値は、文系の学科はほとんど65でしたが、国語国文学科だけが62.5でした。
各学科の合格最低点を見ても、本当に2.5もの学力差が生じるとは考えづらいことです。英語英文学科の合格最低点と比較しても1点ほどの差しかないのに偏差値は2.5もの差がある。これが「大学受験パスナビ」で確認できる偏差値の厄介なところです。
この偏差値だけを受験生が信用したらどうなるでしょうか?
厳しい競争を回避しようとした層が、大挙して国語国文学科に出願することに繋がるということです。当時、都市部の中堅以上の私立大学はどこも、文部省が地方に学生を残すため、大学への助成金を制限し始めていました。その都合で、私立大学はどこも大幅に入学者を減らし、難化傾向にありました。
2016年度までも数年間にわたり、国語国文学科の偏差値は62.5で据え置きでした。合格最低点はずっと175点満点中104点前後で推移しており、2016年度も104.95点でした。ところが、前述の助成金問題による難化で2017年度には109.45点と、5.50点も合格最低点が上がったのです。
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