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日本の「為替介入」が発生した場合の影響とは
日本の円安阻止介入については、2つの点に注目しています。1つ目は、政治的な影響。そして2つ目は、近年の為替介入の傾向から大規模介入の可能性もあるということ。
まず1つ目について、日本の通貨当局は、これまでも米ドル高・円安に懸念を示していましたが、とくに対策を講じることはありませんでした。
そのようななか、岸田内閣の支持率はこのところ顕著に低下しています。以上のように見ると、政治的に「悪い円安」を放置できなくなった影響が大きいのではないでしょうか。
米ドル売り・円買い介入が実現しても、日本単独では効果がないとの見方は強いようです。そもそも、米金利上昇に正当化された米ドル高・円安を大きく米ドル安・円高に戻すのは難しいでしょう。
そうであれば、FOMCを受けて米金利上昇以上に米ドル高が加速、一気に1998年の米ドル高値である147円台更新となった場合などで、カウンターアタック的に介入となるようなケースではないでしょうか。
日本の通貨当局による最後の為替介入は、2011年に行われたものでした。このときの規模は最大で1日当たり8兆円にも上りました。こういった為替介入の大規模化を参考にすると、今回も1日当たり数兆円といった予想以上の規模で為替介入が行われる可能性があります。
以上、今週はFOMCをにらみ米ドル高・円安が予想される一方で、それが加速した場合、円安阻止介入が実現し乱高下となる可能性もありそうですから、141~146円中心での展開を予想します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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