あなたにオススメのセミナー
「9/20~26のFX投資戦略」のポイント
<ポイント>
・8月CPI発表を受け、米利上げシナリオは上方修正された。21日FOMCをにらみながら、米2年債利回りが4%を超えてくるようなら、145円以上の米ドル高も現実味を増しそう
・日本の米ドル売り・円買い介入は、一気に1998年の米ドル高値、147円台の更新を目指すようになった場合は、数兆円といった予想以上の規模で実現する可能性に要注意か
・今週の予想レンジは141~146円中心
先週の米ドル/円が乱高下した主な要因
先週の米ドル/円は140円台前半での乱高下となりました。火曜日に注目の米8月CPI(消費者物価指数)発表が予定されていましたが、その前に米ドル/円は141円台まで反落。ただ、CPIの前年比上昇率が予想を上回ると、一転して145円寸前までの米ドル急騰となりました。
それにしても、前回のCPI相場(7月CPI発表後)は、今回と方向は逆ながら約2円の米ドル急落となりました。そして今回は約3円の米ドル急騰。こんなふうに、事前の予想を結果が上回れば買い、下回れば売りで、一気に2~3円も一方向に動くというのは、全盛期の「雇用統計相場」に匹敵するものではないでしょうか。
足元は米インフレ動向が金融市場における最大のテーマであり、その関連指標に大きく反応する状況が続いています。
そもそも、先々週、米ドル高・円安は一気に145円に迫ったものの、その後は急反落となり、週足チャートは米ドルの長い「上ヒゲ」となりました(図表1参照)。これは、普通なら、米ドル上値トライ失敗の可能性を示すものと言えるでしょう。
そんな米ドルの長い「上ヒゲ」をあっという間に打ち消す米ドル急騰をもたらしたわけですから、いかにCPIを含めた米インフレ動向に対する金融市場の関心が高いかを、改めて印象付ける動きだったのではないでしょうか。
ただ、先週はもうひとつの大きな話題もありました。CPI発表を受けた米ドル急騰に対し、日本の通貨当局(財務省、金融庁、日本銀行)の為替介入思惑が急浮上したということです。
水曜日、145円突破寸前となったところで、為替介入の前段階と位置付けられる「日銀レート・チェック」観測が広がり、米ドル高・円安は一服となりました。
以上のように、先週は「CPIショック」「日銀レート・チェック」などを受けて、米ドル/円はめまぐるしい動きとなりました。