(※写真はイメージです/PIXTA)

癌治療でも外科でも、救急の現場でも美容分野でも、「医療の名の下の犠牲」が発生する構造が、残念ながら日本の医療にも存在する。これらは何故発生し、どう事前に防げるのか。「美容医療国際職人集団」と言われるJSAS会員であり、高須克弥医師の孫弟子にもあたる医療法人美来会理事長、九野広夫医師に解説いただく。氏は、美容医療の他院修正専門医院を立ち上げ、不幸な医療事故や医療過誤を数多く目にしてきたその道のスペシャリストである。

症例写真がその医師の実績なのか、紋切型手術を防ぐためにも自分の場合はどうアレンジしてくれるのかまで尋ねましょう。

 

3.OPEN法や上眼瞼の全切開、シリコンやゴアテックス等の異物挿入、安全性未確認のフィラー注入等は後々に合併症や後遺障害があまりにも酷く、旧術式や新技術で代替法が存在するため当院では推奨していません(専門医でも有名医院でも、大学病院でさえも形成外科医でも、原則NGです)。新しい代替技術と従来法の問題点について事前に調べておきましょう。

 

4.写真ではなく実際のご相談者の顔面や身体に触れる、摘まむ、動かすなどのシミュレーションが必ず必要(しない医師には手術は任せられません)です。貴方ご自身の御希望に対して誠実で徹底した説明と、各手段の徹底比較や別の手段なら何故ダメなのかの理由を明確にしてもらえる医師を、見つかるまで探しましょう。

 

5.美容整形の技術は医院や医師によって進化の程度や次元が全く異なります。御本人様のご希望が叶うかどうか、後遺症や合併症を起こさないかどうかは、全て技術とのベストマッチングにかかっています。失敗されると他院修正には2倍以上の費用と5倍以上の時間がかかりますので慎重に選びましょう。

内科領域や他科診療、癌治療でも

今後も当連載欄に専門学的見地から、(美容)医療の現状(惨状)と今後の進化について、私なりの見解と外科医歴24年の診療実績に基づく知見を述べていく予定です。少し大袈裟ですが、人類の個体と系譜に健康と幸福をもたらすべき仁術である本来の医療を取り戻すべく、少なくとも受益者であるはずの患者側に立って、真の鑑別眼や次世代の新基準ガイドラインの一助になるための提言を発信してゆく所存です。

 

医院側の逃げ口上や言い訳、医師特有の騙しのテクニックや失敗の原因について、実例を挙げながら暴いて参ります。業界の抜本的改革も必要です。この観点は、内科領域や他科診療、癌治療や美容以外の手術に臨む際にもきっと有用でしょう。単に医師を敵に回すのではなく、患者様が主導権を握って少なくとも対等になり選べる立場にならなければ、かけがえのない生命でさえ奪われてしまう事態も招き兼ねません。
 


九野 広夫

医療法人美来会 理事長

 

 

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