瞼全切開で数千万円失い、人生17年犠牲に…。「メスを用いず」瘢痕と随伴諸症状を同時に治す新技術とは?

瞼全切開で数千万円失い、人生17年犠牲に…。「メスを用いず」瘢痕と随伴諸症状を同時に治す新技術とは?
(※写真はイメージです/PIXTA)

保険診療の名の下に医師が新たな障害や疾患を創り出し続ける「医療の構造問題」が、令和の時代の日本でもまだ横たわっている。「美容医療国際職人集団」と言われるJSAS会員の九野広夫医師は、歴史を俯瞰してみると現在は新時代への移行期(ヘーゲルが云うアウフヘーベン(弁証法的な発展段階))にあると云う。本稿では「このまま『反』では終わらせないための新技術を開発した。」という九野氏に解説して頂く。

切開瘢痕はどのような経過を辿るのか?

一度でも全切開を伴う手術を受けてその後に瞼周囲に何らかの不具合が生じた場合には、担当医から大抵月単位~1年程度「様子をみて下さい」と言われますが、これには一定の理由があります。術後に生じた(過形成)線維化はコラーゲンやエラスティン等の蛋白質が主体なので、それらが置換わる寿命サイクルが約1年だからです。確かにその間に多少の改善は見込めます。

 

しかし患者側からすれば、その1年間が長く耐え難いものです。その間十字架を背負い続けるのは患者側ばかりで、担当医は「正当な手術の合併症なのだから仕方がない。」と「様子観察」の時間稼ぎに終始します。更に、1年以上経過しても過形成時の高度癒着や腫瘤、蜂窩状構造の異常がある程度「症状固定」される場合や、偶発的に生じた高度な線維化・肉芽化・石灰化等のために瞼の凸凹が治り切らない例も少なくありません。

 

別部位で喩えると「虫垂炎」や「帝王切開」等で生じた瘢痕が、数年以上経過してもめり込んだ形態、或いは傷周囲の凸凹が治っていない症例が珍しくないのと同様です。上下眼瞼や眉下の瘢痕はそのミニチュア版の様なものです。腹部の瘢痕なら下着で隠せますが、特に瞼は(マスク社会なら尚更)常に露出されている上に癒着層までの皮下組織がかなり薄く、同時に「折畳む」という瞬き機能が損なわれてはならない部位です。

 

合併症があることが判っていても医師側にはそれを治療する選択肢がそもそも「無い」に等しいのです。従って術後は禅問答の様な平行線をたどるだけで「多少の改善」以上の効果は期待できません。

従来はどの様な瘢痕治療をされていたのか?

数ヵ月~1年(平均6ヵ月)の「様子観察」の後でも症状固定していて、瘢痕や開閉眼の不具合を治したいと希望された場合、殆どの医師が選択する方法は(勿論適応があるとの判断下で)「再切開」や「再切除」、または「矯正の調整」です。(特に前医より自分の方が切開や縫合が上手いと自負している先生ほど)着手してしまいます。

 

そして主流ではありませんが時折、脂肪注入や脂肪移植、筋膜移植や皮膚移植、ステロイド注射等を勧められるか(良かれと思って時には無断で)併用される場合があります。

 

特に上眼瞼に皮膚移植をされた場合は、移植皮弁の皮膚の厚みや色味、蛇腹の様な不自然なタワミと二重ラインになるだけでなく、挙筋腱膜と連動しないため、移植皮膚の重みをうまく折畳んで挙上できない「更に複雑な別の障害」が生まれます。稀に「傷跡の治療=レーザー治療」と短絡的に思い込んで瞼にも適応しようとする医師も実際にいますが、失明のリスクもあり言語道断の極みです。

 

上記治療法のいずれによっても(たとえ保険診療でも大学病院でも瞼形成専門の名医によってでも)、状況を更に悪化させることが多いでしょう。更に深刻で多種多様な後遺障害に苛まれる無限ループから脱却できず、多くの患者さまが泣き寝入りしています。

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