(※画像はイメージです/PIXTA)

今年も大型台風が相次いで日本列島を襲っています。また、近年、大規模な風水害による被害が激増しています。そんなときに役に立つのが火災保険ですが、少し前までの常識が通用しなくなってきています。今までの契約内容では、被害に遭っても損害がきちんとカバーされないことがあります。そこで、被害をもれなくカバーするために必要なポイントをお伝えします。

今までの常識が通用しない!この数年でケタ違いに増えた水災被害

損害保険料率算出機構「2021年度 火災保険・地震保険の概況」によれば、自然災害による火災保険の保険金の支払額は増大傾向にあります。

 

そのなかでも、特に、保険金の支払額がこれまでとは異なる次元にまで激増しているものの一つが「水災」です。

 

「水災」とは、風水害等による「洪水」「土砂崩れ」「高潮」等による損害をさします。

 

それらによって建物が浸水し、建物・財物に損害が発生した場合に、水災補償の対象となります。

 

【図表】は、2010年~2019年の水災保険金支払額の推移を示したものです。

 

損害保険料率算出機構「2021年度 火災保険・地震保険の概況」のデータをもとに作成
【図表】火災保険の水災保険金支払額の推移 損害保険料率算出機構「2021年度 火災保険・地震保険の概況」のデータをもとに作成

 

水災保険金の支払額は、2010年~2017年の間は2015年の147億円が最高でしたが、2018年は609億円、2019年は1,237億円と、それまでとは規模が違うレベルに達しています。

 

これは、近年の大規模な風水害の急激な増加によるものです。

 

少し古い書籍やインターネット記事等でたまに「火災保険の保険金支払額全体のうち水災の占める割合は低い」などという記載をみかけますが、要注意です。ここ数年で状況が劇的に変わってしまったのです。

 

近年の風水害の急増と激甚化には地球温暖化が影響しているといわれており、今後、大規模な風水害がさらに増加していく可能性があります。

 

それに伴い、火災保険の水災補償はよりいっそう重要になっていくと考えられます。

 

特に、国土交通省が公開しているハザードマップを確認し、建物が「洪水」「土砂災害」「高潮」のリスクがあるエリアにあるならば、火災保険に水災補償を付けておくのは必須だといえます。

 

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