銀行「そろそろストップしましょう」…不動産投資の落とし穴「デッドクロス」、節税における法人化のリスクとは

銀行「そろそろストップしましょう」…不動産投資の落とし穴「デッドクロス」、節税における法人化のリスクとは
(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資によって安定した資産形成を行うにはどうすればよいのでしょうか。リスク低減と損失のリカバーを両立した新しい投資方法「トライアングル不動産投資」について、その考案者である木村洸士氏の著書『不動産投資は組み合わせが9割: 家賃収入1000万円を最速で叶える トライアングル不動産投資術』から一部抜粋し、理論や具体的な方法を詳しく解説します。

節税対策における法人化のメリット・デメリット

経験を経た不動産投資家の中には、一定の収益を超えた段階で「法人化」をする人もいます。法人化とはつまり会社をつくることなのですが、それまでは個人で投資をしてきたところから、会社を設立して不動産投資を続けていくケースも多いのです。

 

その理由としては、個人で不動産投資をしていると税金が高くなってしまうことが挙げられます。

 

とくに日本では「累進課税制度」がとられています。累進課税制度とは、所得(課税対象)が高額になればなるほど、税金の額も高くなる仕組み(=累進)のことです。

 

たとえば所得税の場合、課税される所得金額に応じて、最大45%の税率が課せられることになります。つまり、所得の半分近くが税金としてとられてしまうのです。

 

参考までに、課税される所得金額に応じて、どのくらい税率が課せられるのかをチェックしておきましょう。([図表2]参照)

 

出典:国税庁HP
[図表2]所得金額に応じた所得税の税率 出典:国税庁HP

 

このように個人の場合、収入が増えれば増えるほど税率も大きくなってしまうため、何らかの対策を講じる必要があります。

 

前述した減価償却費が計上できるうちは、経費によって所得金額を抑えることもできるのですが、それが切れてしまうと、一気に所得が大きくなることになるため注意が必要です。

 

そこで、法人化を検討します。法人の場合、課税所得金額が800万円以下であれば15%、800万円を超える場合は23・2%の税率となります([図表3]参照)。

 

出典:国税庁HPから著者抜粋
[図表3]法人税の税率 出典:国税庁HPから著者抜粋

 

個人の税率が、課税所得695万〜899万9000円まで23%、900万円を超えると33%になることを踏まえれば、「900万円」の所得がひとつの目安になると分かります。

 

ただし、税金に関しては売却時のことも考慮に入れておく必要があります。たとえば個人では、物件の所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」の場合、税率を20.315%に抑えることができます。このあたりは、所有している不動産をどうしていくのかも加味して、総合的に判断するようにしてください。

 

さて、法人化のメリットは税金面だけではありません。金融機関から融資を受ける際にも、法人のほうが有利であることが多いのです。

次ページ融資における法人化のメリット・デメリット

※本連載は、2022年7月20日発売の木村洸士氏著書『不動産投資は組み合わせが9割: 家賃収入1000万円を最速で叶える トライアングル不動産投資術』から一部を抜粋し、再編集したものです。

不動産投資は組み合わせが9割:家賃収入1000万円を最速で叶える トライアングル不動産投資術

不動産投資は組み合わせが9割:家賃収入1000万円を最速で叶える トライアングル不動産投資術

木村 洸士

合同出版

家賃収入5000万円の脱サラ大家が指南する 戦略的に資産を積み上げる最強メソッド \100万円からスタート/ \目指せ 資産1億円! / ★巻頭ページで体験者の実例をカラーで紹介★ 不動産投資を始めたものの、こんな伸び…

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