中古アパート購入の基礎を理解する
新築アパートによって加速した投資を、さらに拡大していくイメージが「中古アパート」です([図表1]参照)。まずは、ここであらためて、新築アパートと中古アパートの違いを確認しておきましょう。
中古アパートの場合は、新築アパートと比較して価格が安い傾向にあります。築年数が経過している分、同じエリア内で比較すると当然、新築のほうが高額になります。そのため、不動産投資家としては、投資金額(借入金額)を抑えることができ、利回りも高くなります。
また、新築アパートと同様に、中古アパートも金融機関から融資を受けて購入するのが基本です。しかし物件価格そのものが安いので、利回りが10%以上と高くなることが多く、返済を抑えながら家賃収入を得られるため、利益(CF:収入-支出)が多くなります。
加えて、最初から入居者がついている場合もあり、新築アパートの建築直後のような全空室リスクも避けることができます。
さらに、買い方次第では、土地の値段と同じぐらいの価格で購入できる場合もあります。つまり、物件自体(上モノ)の価格はゼロ円になる計算なのですが、そのような土地値物件をローンで購入できれば、資産の拡大という意味でも非常にメリットがあります。
土地自体が資産価値の下がりにくいものであり、そこに、融資を受けて投資できるためです。
一方でデメリットとしては、新築アパートと比較して、融資をしてくれる金融機関が限られていることが挙げられます。たしかに土地の値段はほとんど変わらないのですが、建物自体の耐用年数が経過しているため、融資期間を考慮してくれません。
つまり、融資が下りないという回答が出ることが多いのです。また、修繕が多く発生することもあり、修繕費を加味した上で投資をする必要もあります。
これらの点を踏まえると、中古アパートへの投資はいかに融資を取り付けられるかという点と、修繕費を抑える工夫をしながら運営していけるかにかかっていると分かります。
空室対策も同様で、空きが出た場合に、いかにお金をかけずに次の入居者を獲得できるかが、オーナーの腕の見せ所です。