求められるのは、より“戦略的”な不動産投資
社会情勢の変化による収入の安定化と、老後資産の不足による金融資産構築の必要性という、2つの大きな問題がある中で、私たちは適切な行動をとることが求められています。
これまでのような働き方をそのまま継続していては、訪れる未来に対処できません。
そこで検討すべきなのが、会社からもらう給料以外の収入を確保する方法です。ただ前述したように、安易な副業や、株や債権などの資産運用では、老後資金を確実に捻出するのは難しいのが実情です。より堅実な方法を模索する必要があります。
そうした事情を踏まえ、本書でオススメしているのは不動産投資です。しかも、それは「はじめに」でも触れているように、これまで行われてきた一般的な不動産投資ではありません。あくまでも、より戦略的に組み立てられた不動産投資のことです。
この場合の〝戦略的〞とは、中長期的なプランニングを考慮した上で「戸建て」「新築アパート」「中古アパート」を組み合わせた不動産投資を実現することを意味します。そのため、「トライアングル不動産投資」と表現しています。
大きな理論自体は、従来の不動産投資と変わりません。不動産を購入して、収入と資産の安定化を図るのが目的です。一方で、これまでとの大きな違いは、従来の不動産投資が抱えてきた問題を解決している点にあります。
私自身、12年以上にわたって不動産投資を実施してきました。その過程で、学びと実践を繰り返しながら、試行錯誤をしつつ、より望ましいかたちの不動産投資を模索してきました。
経験者や関係者が主宰する塾やセミナーなどにも通ったのですが、そこでも、参加した方から「不動産投資で成功するのは難しい!」という声がよく聞かれました。その理由は、「どこでつまずくのかを理解した上ではじめていない」ことにあると思います。
老後資産を形成するために始めた不動産投資も、目先の1物件を購入することがゴールになってしまうと、本来の目的、たとえばあなたが年1,000万円の利益や、1億円以上の実資産を得て、収入の安定化の実現や老後資産の安定を図ることを達成するのが困難になります。やはり、あらかじめ考えておくべきなのは、「どんな不動産を買うか」「目標達成に向けてどう買い進めていくか」ということです。