銀行「そろそろストップしましょう」…不動産投資の落とし穴「デッドクロス」、節税における法人化のリスクとは

銀行「そろそろストップしましょう」…不動産投資の落とし穴「デッドクロス」、節税における法人化のリスクとは
(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資によって安定した資産形成を行うにはどうすればよいのでしょうか。リスク低減と損失のリカバーを両立した新しい投資方法「トライアングル不動産投資」について、その考案者である木村洸士氏の著書『不動産投資は組み合わせが9割: 家賃収入1000万円を最速で叶える トライアングル不動産投資術』から一部抜粋し、理論や具体的な方法を詳しく解説します。

中古物件の償却年数は? 気を付けたい「デッドクロス」とは何か

減価償却は、手元の資金を減らすことなく経費を計上できるため、不動産投資家にとってはありがたい仕組みです。不動産投資の収益としては、減価償却費を加味しつつ、できるだけ黒字にもっていくのが理想です。

 

たとえば年間200万円の利益があり、減価償却費が190万円だとしたら、10万円の黒字です。これなら黒字を維持しながら税金も抑えられます。

 

とくに、保有する物件が増えれば増えるほど、減価償却費をどうコントロールするかが重要になります。とくに中古物件は、耐用年数が超過しているものも多く、その場合は4年で償却する方が多いです。

 

その場合、5年目以降は減価償却費としての経費がなくなってしまうのです。その結果、課税所得=支払う税金が多くなり、苦しくなっていきます。

 

不動産投資において大きな支払いは、やはりローンの返済なのですが、その内訳は「元金+金利」となります。

 

このうち元金は経費として計上することができません。加えて、減価償却費もなければ、手元の資金が減っているのに税金が増えていくことになります。場合によっては、利益よりも税金のほうが大きくなってしまうこともあるのです。

 

ローンの元金返済額が減価償却費より大きくなることを、「デッドクロス」といいます([図表1]参照)。

 

[図表1]デッドクロスのイメージ

 

デッドクロスになると、帳簿上は黒字であるのにもかかわらず、手元の資金が減ってしまいます。税金を加味した利益(CF)がマイナスになってしまうと、いわゆる「黒字倒産」ということにもなりかねません。

 

そうならないよう、中古アパートの購入時には、税理士などの専門家に相談してみてください。耐用年数を超過した物件は4年が基本となりますが、あくまでも「最短4年」なので、使用期間に応じて減価償却できる場合もあります。

 

あるいは、減価償却が切れてしまった物件を売却し、別の不動産などに入れ替えていくのもひとつの方法です。そのとき、売却も交えながら複数の物件に投資してきた、トライアングル不動産投資の実践経験が役に立ちます。

 

その他にも、戸建てを新たに購入し、修繕などの費用で経費計上することもできます。ただ、その場合も、手元の資金をなるべく使うことなく、上手にやりくりしていくのがポイントです。

 

このデッドクロスの影響を最も受けやすいのは「融資を受けて購入した築古中古アパート」です。だからこそ、中古アパート一本に絞り続ける考え方を変え、「修繕が必要な(つまり経費計上が必ず起こる)ボロ戸建て」や「建物比率を大きく取れる新築アパート」にも目を向けておく必要があるのです。

 

減価償却は、不動産投資においても重要な点となります。引き続き勉強を重ねるなど、より理解を深めていきましょう。

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※本連載は、2022年7月20日発売の木村洸士氏著書『不動産投資は組み合わせが9割: 家賃収入1000万円を最速で叶える トライアングル不動産投資術』から一部を抜粋し、再編集したものです。

不動産投資は組み合わせが9割:家賃収入1000万円を最速で叶える トライアングル不動産投資術

不動産投資は組み合わせが9割:家賃収入1000万円を最速で叶える トライアングル不動産投資術

木村 洸士

合同出版

家賃収入5000万円の脱サラ大家が指南する 戦略的に資産を積み上げる最強メソッド \100万円からスタート/ \目指せ 資産1億円! / ★巻頭ページで体験者の実例をカラーで紹介★ 不動産投資を始めたものの、こんな伸び…

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