投資のプロが「米国成長株」への警戒を強めているワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

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インフレ懸念から金融引き締めの継続

労働参加率の高まりから労働市場は拡大を続ける

8月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月から31万5,000人の増加となり、堅調な伸びを示しました。

 

他方で、失業率は前月の3.5%から3.7%へと0.2ポイント上昇しました。 ただし、これは、働いていなかった人たちが労働市場に流入して労働参加率が高まったためであり(≒「就業予備軍」としての失業者のカウントが増えたためであり)、米国の労働市場は拡大を続けています。

 

そのようななか、米連邦準備制度理事会(FRB)はジャクソンホール会合などを通じ、「金融引き締め継続」の姿勢を鮮明にしています。インフレ懸念が収まらないためです。

 

他方、引き締めの継続を阻むのが「バランスシートの逆ザヤ問題」(≒FRBの赤字決算)です。赤字決算が長引くと、資本が棄損して、FRBが発行するドルの信用に懸念が生じる恐れがあります。

 

FRBが赤字決算の長期化を避けるためには下記の2点が必要です。

 

①「現行水準付近での金利据え置き」

②「赤字水準まで利上げしたとしても、その期間を短くすること=早期の利下げ転換」

 

しかし、インフレ懸念は収まる兆しがないため、①「現行水準付近での金利据え置き」は困難であり、実際、FRBは引き締め姿勢を鮮明にしているわけです。

 

FRBが「インフレの抑制」と「赤字決算長期化の回避=早期の利下げ」の2つを同時に達成するためには、「早期の景気後退入り」が必要になります。場合によっては急速な引き締めを織り込ませることで、市場金利を引き上げ、一気に景気後退を呼び込むかもしれません。

 

金利上昇への警戒をふまえると、米国成長株式からの分散が望まれます。

 

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    フィデリティ投信株式会社
    マクロストラテジスト

    大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了後、農林中央金庫にて、外国証券・外国為替・デリバティブ等の会計・決済業務および外国債券・デリバティブ等の投資・運用業務に従事。

    その後、野村アセットマネジメントの東京・シンガポール両拠点において、グローバル債券の運用およびプロダクトマネジメントに従事。

    アール・ビー・エス証券にて外国債券ストラテジストを務めた後、2013年にJ.P.モルガン・アセット・マネジメントに入社、2019年同社マネージング・ディレクターに就任。ストラテジストとして、個人投資家や販売会社、機関投資家向けに経済や金融市場の情報提供を担う。2020年8月、フィデリティ投信入社。

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