(※写真はイメージです/PIXTA)

「足の速さは、もって生まれた才能である」と考える方も多いかもしれませんが、誰しもが速く走れる可能性を秘めていることが近年の研究で明らかになってきました。ジャマイカでウサイン・ボルト氏とトレーニングした経験を基に「走りの学校」を創設した和田賢一氏の著書『走り革命理論 今まで誰も教えてくれなかった「絶対に足が速くなる」テクニック』から一部抜粋し、「誰でも足が速くなる走り方」について解説します。

走る距離で使い分けるべき、2種類の「走り方」とは

父親 和田さん、走り方には2種類あるというのはどういうことですか?

 

和田 ごもっともな疑問です。お答えする前に僕からも質問なのですが、「走る」は英語でなんと言いますか?

 

父親 「ラン(run)」です。

 

和田 ありがとうございます、おっしゃるとおりです。日本でも、ランニングという言葉をよく耳にしますよね。僕ら日本人にとっての「走る」は、このランニングの走り方なんです。

 

和田 僕はビーチフラッグスという競技で世界1位になるために足の速さを追求し続けていたのですが、やがて壁にぶつかりました。それまでのトレーニングをいくら続けても、足は速くならなかったんです。そこで、藁にもすがる思いでジャマイカに向かいました。

 

父親 そうだったのですか。先ほどボルト選手のコーチのお話をしていましたが、ジャマイカではボルト選手と一緒に練習したのですか? そんな経験をした日本人は聞いたことがなかったので、驚きが隠せません。

 

和田 はい。毎日一緒に練習しましたよ。もっと足が速くなるにはどうすればいいか、日本では見つからなかったのですが、どうしてもあきらめきれず、視野を広げて「世界一足が速い人と自分の走りを比べたら、何か見つかるかもしれない」と考えたんです。

 

そして、ボルト選手の所属する陸上チームで練習をさせていただけないかと、つたない英語でメールを送りました。ありがたいことに、ボルト選手の陸上チームが僕のことを受け入れてくださることになり、3ヵ月間、練習に参加させていただいたんです。

 

父親 なるほど。そのときに新しい走り方に出合ったのですか?

 

和田 そうなんです。練習初日に違和感があったんです。僕の走りと彼らの走りは、速さが違うというより動き方が根本的に違うという印象を受けました。

 

父親 そこまではっきりとわかるほどの違いだったのですね。

 

和田 はい。今思い返せば、それもそのはずで、彼らの走り方はランニングではなく、もうひとつの走り方、「スプリント(sprint)」だったんです。ラン(run)とスプリント(sprint)は動詞が違うわけですから、動作が違うのもイメージしやすいですよね?

 

そしてボルト選手を育てたコーチが、僕の走りを見て言った言葉で、それが確信に変わったんです。

 

「ケンイチ、お前の走り方はマラソンランナーの走り方だ。踵から地面に着いてしまっている、つまりランニングだ。ランニングの走り方は、最高速度を求められる短距離走において、スピードを大きくロスしてしまう。ボルトたちはランニングで走っていない。スプリントで走っているんだ」

 

これが、2つ目の走り方、スプリントとの出合いでした。20mという短距離のスピードを競うビーチフラッグスで限界を感じていたのは、それまでの走り(ランニング)が長距離を走るには適していても、スピードに特化した走り方ではなかったからなのだと知りました。

次ページ第2の走り方「スプリント」を習得した著者は急成長!

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