「走り革命理論」で誰でも見違えるほど足が速くなる
和田 ジャマイカのコーチから「ケンイチ、また踵が着いているぞ」と何度も指摘を受けましたし、ボルトさんやほかの選手たちの真似をして走ってみましたが、いくらトライしても、自分の走っている映像を見ると、踵が地面に着いてしまっていたんです。
父親 私と息子も試しましたが、わかっていても改善にはいたりませんでした……。
和田 教えていただきありがとうございます。理屈はわかるのになぜそれができないのかを不思議に思って研究し、根本的な原因を追求していったんです。そして、ランニングとスプリントの本質的な違いを発見し、それを誰にでもわかるようにしたのが「走り革命理論」です。
だから、お父さんもお子さんも、これからお伝えすることを正確に実践していただければ、足はまだまだ速くなります。今までできなかったのは、あくまで習う機会がなかっただけなんですから。
父親 私の足も速くなるんですか……? 信じたいような、信じられないような……。
父親 和田さん、ひとつお尋ねしてもよろしいですか?
和田 もちろんです。どんなことでも遠慮なくお聞きください。
父親 ありがとうございます。
スプリントテクニックを学んだところで、本当に足が速くなるのかどうか疑問です。というのも、スプリントの習得により和田さんの足が速くなったのは、和田さんにはもともと天性の運動神経があって、ボルトさんのチームでものすごい量の練習をしたからこそではないですか?
つまり尋常ではない才能と努力があって初めて実現できたことで、和田さんの足が速くなったからといって、私たち親子も同じように希望を持っていいのかというと、まだそうは思えていない自分がいます。
和田 もったいないお言葉です。繰り返しになりますが、誰でも足は速くなります。少し話が逸れますが、お父さんは自転車に乗れますか?
父親 ええ、もちろんです。
和田 そうですよね。大抵の人は自転車に乗れます。ちなみに、どうやって乗れるようになりましたか?
父親 どうだったかな……最初は補助輪をつけてペダルをこぐことに慣れましたかね。慣れて補助輪を取ってからは、転んで起き上がってを繰り返しながら、こいでいるうちに気がついたらできるようになっていたと思います。