(※写真はイメージです/PIXTA)

「足の速さは、もって生まれた才能である」と考える方も多いかもしれませんが、誰しもが速く走れる可能性を秘めていることが近年の研究で明らかになってきました。ジャマイカでウサイン・ボルト氏とトレーニングした経験を基に「走りの学校」を創設した和田賢一氏の著書『走り革命理論 今まで誰も教えてくれなかった「絶対に足が速くなる」テクニック』から一部抜粋し、「誰でも足が速くなる走り方」について解説します。

誰でも速く走れる「走り方」の基本姿勢

父親 それにしても、ずいぶん足を引き上げるんですね。ここまで前へ上へ持ってくる必要があるんですか?

 

和田 はい、そうなんです。

 

父親 ベースポジションまで上げずに足を入れ替えたほうが、足を動かす距離が短くなるから、早く切り替えられそうですけど?

 

和田 足が上がりきっていないと、足を振り下ろす距離が短くなって、地面から十分な力をもらうことができなくなります。ボールを高い位置から落とすのと、低い位置から落とすのとでは、どちらが大きく弾むかイメージできますよね。

 

父親 それはわかります。だから膝を上げて、足を高い位置まで引き上げる必要があるのですね。

 

[図表1]ベースポジション

 

和田 しかしその際、速いランニングで起こってしまうことがあるんです。「膝を高く上げて」と言われると、①着き足を接地してから②膝を高く上げるという2段階の動作で行おうとしてしまいます。

 

このように2段階で膝を移動させていくと、その間の時間はもちろん0.1秒を超えてしまいます。なので、「膝を高く上げる」ことと「地面に足を着く」という動きが同時に成立するような動きが必要になってくるわけです。

 

もちろん、子どもの時期は秒速10mに達することができなくても、目指すべき身体の動かし方は大人と同じです。身体の成長と共に必ず速度も上がっていきます。

 

逆に子どものときに周囲の友達よりも成長が早くてランニングのフォームでも速く走れる場合もあるのですが、そういう子どもはスプリントテクニックを身につけていない状態のまま成長していくので、将来的に足の速さが向上しない可能性があるのです。

 

父親 なるほど。やはり、片足を接地させた瞬間には、地面から離れたほうの足をベースポジションの高さまで引き上げておく意識が不可欠ということなんですね。どうすればそれを実現できるのでしょうか?

 

和田 はい。これからそれをお伝えさせていただきます。

 

ちなみに、細かい話をすると、接地という動作にも、「足が地面に触れた瞬間」「そこから強い力が地面に加わる加重した瞬間」「加重が終わり足が離れる瞬間」の3つの局面に分けることができます。

 

[図表2]ベースポジションキープ/左右片足ずつ20秒×2セット

 

人間が接地したと感じるのは、地面からの刺激を強く感じる加重した瞬間です。なので、ベースポジションは厳密に言うと加重をした瞬間なのですが、これから先は、接地=加重時という前提でお話をさせていただきます。

 

スプリントテクニックの一歩目のステップですので、身体に覚え込ませていきましょう。

 

父親 これをキープするのはなかなか大変ですね……。

 

和田 慣れない動きですよね。おっと、着き足の膝が曲がってきていますよ!

 

父親 はい……。これでどうでしょう!

 

和田 お父さん、すぐにできましたね! その調子です!

 

速く走るには、自分が出せるいちばん速い速度で、一瞬一瞬バランスをとりながら、このベースポジションを繰り返さないといけないんです。接地した足は、地面から頭の先まで一本の軸になります。よく覚えておいてくださいね。

次ページ最初は誰もが難しく感じる「ベースポジション」

本連載は、和田賢一氏の著書『走り革命理論 今まで誰も教えてくれなかった「絶対に足が速くなる」テクニック』(KADOKAWA)から一部を抜粋し、再構成したものです。

走り革命理論 今まで誰も教えてくれなかった「絶対に足が速くなる」テクニック

走り革命理論 今まで誰も教えてくれなかった「絶対に足が速くなる」テクニック

和田 賢一

KADOKAWA

YouTube登録者数14.7万人の【走りの学校】校長・和田賢一が伝授! ジャマイカでウサイン・ボルト氏とともにトレーニングした経験を基に構築した至高の理論。走りには「ランニング」と「スプリント」の2種類あることから始まり…

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