(※画像はイメージです/PIXTA)

「過去問」は、実践的な参考書です。志望校・受験校なら、やって絶対に損はない参考書です。解いたあとに見えてくる得点アップのための具体的な対策が、合格するためには最も大切です。塾なしで長男を志望校に入学させた塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)で解説します。

過去問は実践的参考書である

過去問は、必ず解きましょう。模試と同様、受験のマストアイテムですが、過去問については「どれがいいのか」「いつからやるのか」などの疑問がよく聞かれます。経験からわかったことを挙げてみましょう。

 

▶どの過去問がいい?

高校入試用の過去問には、

 

●『□□県公立高校 スーパー過去問』、『△△高等学校 スーパー過去問』(声の教育社)
●『△△高等学校(都道府県)』、『□□県公立高校』(東京学参)
●『□□高等学校入学試験問題集』(教英出版)

 

などがあります。違いは、収録している年数や解説、価格などです。その他に、解答用紙が別冊かダウンロード式かの違いもあります。

 

過去問は、早いものだと5月以降から発売され始めます。夏頃にはたくさん書店に並びますので、どれが良いか中身を確認してみてください。内容は過去問ですから、大きな違いはありません。実物を見て使いやすそうなものを本人が選びましょう。息子は、『声の教育社シリーズ』を活用しました。

 

また、各都道府県の公立高校、東京都立の各自校作成問題校、一部の私立高校の入試問題は、各高校や塾、まとめサイトなどのウェブサイトに掲載され、無料で公開されています。出題傾向を見たい場合などは活用でき、データをダウンロードしてプリントアウトすれば、過去問に挑戦できます。候補の学校である場合は、無料で公開されているものを確認してみることもおすすめです。

 

▶いつやる?

過去問はいつ始めればよいのでしょうか。

 

入試問題は中学の全履修範囲から出題されるため、先取り学習も含め、本人がひと通り全範囲の学習を終えてから、がよいでしょう。逆にいうと、全範囲を終えていないと過去問に取りかかれない、ということになりますね。夏休みに先取り学習ができれば、過去問も夏休み以降に取り組めるということです。

 

一般入試は早ければ1月末から始まります。過去問を始める時期としては、遅くとも中3の2学期には始めたいと考える受験生が多いでしょう。塾では、夏には始めているでしょう。また、時間のできる冬休みは、受験校の過去問を中心に勉強することもおすすめです。

 

この場合、学校での未履修範囲が問題になってきます。息子の場合も、中3の12月時点で未履修の範囲がありました。公立中学生が過去問を始める際には、「中3後半の授業の先取り自学習が必要になる」ということです。

 

塾ではもちろん先取り学習が早くから行われ、夏以降は入試対策をしているでしょう。塾なし受験の場合もできれば、先取り学習は、夏休みなど時間があるときに計画的に済ませておくと、後半の勉強スケジュールにゆとりが持てるでしょう。

 

特に数学と英語についてですが、中3の履修範囲のうち次の領域は入試問題でもよく見かけます。2学期末の時点で未履修の場合は注意が必要です。過去問にとりかかる前に、必ず先取り学習をしておきましょう。

 

●数学:円周角の定理/三平方の定理
●英語:現在分詞・過去分詞/関係代名詞

 

志望校の過去問は、遅い時期に初めて取りかかっては対策が立てづらいと思います。直前にリハーサルのように挑戦したい場合も、例えば1年分など解きたい分量を残して始めておくほうがよいでしょう。志望校の過去問は、先取り学習を終え、「できるだけ早くから繰り返し解く」ほうが、志望校対策になります。

 

また、過去問を解いた自己採点は、進路決めの参考にもなるので、受験校を決定するまでに、必ず一度は解いて自己採点をしておきましょう。

次ページ「過去問」は本番に近い実践練習になる

※本連載は塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「塾なし」高校受験のススメ

「塾なし」高校受験のススメ

塚松 美穂

プレジデント社

たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、学習塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑…

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