(※画像はイメージです/PIXTA)

塾なし高校受験を進める上で、各教科の得点アップを考えたときの対策はどう考えればいいのでしょうか。塾なしで長男を志望校に入学させた塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)で解説します。

英作文は先に時間を配分して回答する

■得点アップを狙う「教科別ヒント」

 

受験勉強や模試を通して、どうしたら得点を最大値にできるかを考え、取り入れた方策がいくつかあります。

 

受験生それぞれに、得点アップを狙いたい教科は異なります。また、成績や弱点、原因などによって当てはまらない場合はあると思いますが、各教科の得点アップを考えたとき、参考にできる記述があれば、ぜひ取り入れてみてください。

 

●英語

 

英語はリスニングが約10分間含まれます。開始後すぐに始まる試験もあれば、「開始○分後」と設定されている学校もあります。リスニングの開始時間は、必ずチェックしておきましょう。

 

50分の試験の場合は、リスニングの時間を除くと実質40分となります。この時間で、長文読解や英作文などに対応しなければなりません。そのため、時間配分がとても重要です。

 

リスニングが終わったら、まず英作文の問題を見る。

 

英作文は、ミスなくきちんと作文できれば、高得点が狙える問題です。しかし、入試問題の最後に配置されていることが多く、順番に問題を解いていると時間が足りずに、慌てて解答する羽目になってしまいがちです。実は、これがとても「もったいない!」ことなのです。

 

5分と決めて時間を配分し、英作文をしっかり書くように対策をすれば、英作文は満点に近い点数も狙えます。というのも、英作文は難しい単語を使う必要はなく、知っている単語を上手に使って、問いかけられた問題に対していかに正しく答えられるか、です。

 

単語、文法のミスを極力なくし、問いの答えとして的外れにならないように、簡単な英語で字数を守ってしっかり答えること、これが最も重要で点数の取れる答え方なのです。

 

採点は減点方式で、誤ったスペルや文法はマイナスされるため、難しい単語や言い回しを使わずに、例えば、中1のレベルの文法・単語でも解答として正しければ満点がもらえます。知っている単語と文法だけで英作文をしっかり書く練習をしておくことがポイントです。

 

息子が模試や過去問を始めた頃は、この対策ができておらず、英作文の点数はなかなか取れませんでした。元々、作文力(英語であっても、作文の基礎は国語の力です)があまりなかった上に、時間が足りずに慌てて作文を書いていたからだと思います。

 

きちんと書けば評価されると知ってから、対策を立てて英作文の練習をしたので、最終的に、模試で8割以上を取ることができました。

 

例えば、長文読解は、苦手なテーマで問題が出る場合もあります。幅広いジャンルで長文を読んでおくことは対策として可能ですが、それでも、入試で出題される問題が読めば理解できる長文か、内容を把握しづらいテーマなのか、そこは残念ながら試験になるまでわかりません。

 

反対に、英作文は、受験生側で解答をコントロールできる問題。捨てずに、しっかり対応しておくべきだと考えました。

 

息子は、最初のリスニングが終わったら、まず英作文の問題を確認するようにしました。長文問題と連動している場合は、問題を解かないと手をつけられませんが、独立した英作文の場合は、知っている単語を使って英作文をすればよいので、先に時間を配分して解答するように変更したのです。これは、時間が足りずに、適当な作文を書いてしまう失敗から学んだこと。時間があればよりよく書けるのなら、時間を割いたほうがよいのです。

 

次ページ過去問から出題傾向や字数などに慣れる

※本連載は塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「塾なし」高校受験のススメ

「塾なし」高校受験のススメ

塚松 美穂

プレジデント社

たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、学習塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑…

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