昭和時代の名古屋。異業種から賃貸業をメインとする不動産会社の営業マンへ転身した青年は、会社から突然「住宅情報誌創刊」の指令を受け、雑誌の制作と販売に奔走します。創刊後、苦労の成果は目に見えて現れ、その後は会社の成長を支える屋台骨となっていきました。長年にわたって読者から高い支持を得た雑誌は、どのようなポリシーのもと制作されたのでしょうか。

印刷会社、顧客への「誠意ある対応」

次に、誌面作りにおける社内での誓約として次の2つを掲げました。

 

誌面作りで心掛けた誓約 その2

 1 〆切を守る

 2 正確で真面目な営業姿勢

 

①〆切

出版業界で〆切は絶対に守らねばならない約束です。こちらの〆切が遅れると印刷、取次、販売店のすべてに迷惑をかけてしまいます。また、「アパートニュース」を毎号楽しみにしてくれている読者のためにも発行日を遅らせることなどできません。

 

ちなみに賃貸住宅情報誌はその性格上、部屋探しをしているときに買う人が多いですが、なかには継続して購入し続ける人もいます。間取図を見て「将来こんな部屋に住みたいな」と想像して楽しむ人や「良い物件が見つかったら引っ越ししてもいい」と考えている人などがいるためです。

 

今月はどんなお勧め物件があるかなと興味をもって見ている人たちも、いずれ実際に引っ越しが必要になったときに私たちの会社の顧客になってくれる確率が高いです。

 

②正確で真面目な営業姿勢

正確で真面目な営業姿勢というのは嘘をつかないこと、自分の利益だけを考えないことです。正しい情報を届けることで部屋探しをしている読者に喜んでもらい、入居が決まってオーナーに喜んでもらいます。そして、私たちが利益を得ることができるのです。

 

自分たちが利益を得る前にまず本誌購入者やオーナーに利益をもたらすこと、その結果として私たちが評価や利益を受け取ること、それが私の理想とするビジネスの形です。

 

 

加治佐 健二
株式会社ニッショー 代表取締役社長

 

賃貸仲介・管理業一筋50年 必勝の経営道

賃貸仲介・管理業一筋50年 必勝の経営道

加治佐 健二

幻冬舎メディアコンサルティング

メーカーから転職して1976年に28歳で営業職として入社し、充実した日々を送っていた筆者。 その矢先、突然社長と常務から呼び出され「東海エリア初の賃貸住宅情報誌の創刊」を命じられたのです。 そして右も左も分からな…

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