富裕層を悩ませる高い税金問題。しかし、目の前の税金対策を追い過ぎた結果、先を見通さずに不動産投資を行うと失敗しやすい傾向があります。では、なぜ失敗しやすいのか? 木造ボロ物件で税金対策をしたBさんを事例に解説します。

節税の利益を享受したあとのことまで検討する

不動産を使った節税手法は多数ありますが、収益性が低い物件を活用したものは富裕層の方の大切な時間を浪費してまで実施するに値するかをよく検討すべきです。

 

特に築古戸建やシェアハウスといった特殊な物件の場合、管理を引き受けてくれる優良な会社を見つけるのに苦労することも多く、自身による管理の手間が余分にかかります。

 

また、減価償却による節税効果は非常に効果的に見えますが、築古物件には融資がつかないため、マーケットが非常に狭いことにも注意が必要です。売却する際の流動性は極めて低いことを覚悟しておく必要があります。

 

多くの所得税を課せられている富裕層にとって、不動産を活用した節税は非常に魅力的です。しかし肝心の不動産による収益が不安定であれば、本来の「投資」としての効果が得られず結果的に損をしてしまう可能性があることには注意が必要です。

 

また国税庁はホームページで「いわゆる『富裕層』への対応」と題し、富裕層・超富裕層への積極的な調査を明言するなど、徴税強化に取り組んでいます。極端な節税の手法は、国税庁から「目を付けられる」きっかけにもなるのです。

 

 

鈴木 子音

株式会社有栖川アセットコンサルティング

代表取締役
 

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※本連載は、鈴木子音氏の著書『不動産投資で組み立てる 富裕層のための資産防衛戦略』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

不動産投資で組み立てる 富裕層のための資産防衛戦略

不動産投資で組み立てる 富裕層のための資産防衛戦略

鈴木 子音

幻冬舎メディアコンサルティング

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