「安い国・日本」は、スペインに見習え
ひろ:経済的にダメになった国は、物価が安くなりますよね。この前、スイスのバーガーキングに行ったらふたりで5000円もしました。なので、日本に帰ると物価がめっちゃ安いと感じるんですよ。しかも、治安もいいしサービスも行き届いている。すると外国人から人気の国になる。
コロナが収束したら、インバウンド需要は激増して観光業界や飲食業界はうまくいくんじゃないかと思います。
成毛:おっしゃるとおり。通貨の実力を測る総合的な指標である「実質実効為替レート」で見ると、日本円は適正レートの7割くらいだと思うんです。これは輸出産業にとってはお得な状況ですけど、考えてみれば日本にまともな輸出産業なんてなくなってしまいましたよね。みんな海外で生産している。一方で観光業界や飲食業界はポテンシャルが高くて、今度はそっちが主力産業になっていくはず。すると、このまま円安でいいと(笑)。
ひろ:そうなっちゃいますよね。
成毛:こういう話をすると「円安になると、外国製品を輸入するときに不利になる」と言われますが、実は日本が主に輸入しているモノってそもそも安くなってる。今、原油価格は上昇してますが、東南アジアやインドなどからの輸入品価格はそもそも安い。中国も投げ売りを始めるかもしれない。
だから、円安になってもあんまり困っていないんです。「日本が安くなった」と騒がれていますが、僕はこのまま推移すると思うな。
ひろ:昔のように家電メーカーや自動車業界が世界を席巻して、ガンガン輸出して稼ぎまくる時代を目指さなければ、日本は意外といいポジションになれると思うんですよ。
成毛:そう。だから、僕は「日本はスペインを目指せ!」と思っています。
ひろ:スペインは経済的には微妙ですけど、治安がよくて長寿の国で、ご飯もおいしいし、ダラダラ過ごしていても国民は幸せそうですよね。
成毛:観光地もたくさんあって食べ物もおいしいので、日本も同じポジションが狙えます。
ひろ:昔の栄光にすがって経済大国を目指すよりは、スペインのようなポジショニングのほうが現実的で、実はお得なのかもしれませんね。
成毛 眞
書評サイト「HONZ」
代表
ひろゆき
実業家/インフルエンサー