FXや暗号資産はギャンブルと同じ?…株式投資との決定的な違い

2019年に話題となった「老後2000万円問題」を皮切りに、貯蓄から投資へ目を向ける人が増えているようです。しかし、広く投資といえども、なかには「ほとんどギャンブル」といえるような投資対象・仕組みが存在すると、株式会社sustenキャピタル・マネジメントCEOの岡野大氏と、同社CIOの山口雅史氏はいいます。それらはどのような投資で、株式や不動産への投資とはなにが違うのか、みていきましょう。

投資への意識が高まった「老後2000万円問題」

日本人は一般的に貯蓄をしても投資はしないといわれてきました。これは統計資料からも明らかで、日本銀行調査統計局による調査では、日本の家計の金融資産2023兆円のうち、預貯金と現金を合わせた金額は1092兆円で全体の54%を占めています。

 

一方で投資に回されている資産は、株式などが212兆円で10・5%、投資信託は94兆円で4・7%、債券は26兆円で全体の1・3%に過ぎません(2021年12月末時点)。

 

とはいえ、少しずつですが状況は変わってきています。

 

変わるきっかけは、老後2000万円問題

変わるきっかけとなった一つの出来事は、2019年の老後2000万円問題です。老後2000万円問題とは、金融庁の金融審議会では夫が65歳以上、妻が60歳以上の無職世帯で老後生活を30年間送るには約2000万円の資金が不足する、という報告書をまとめたことに端を発した問題です。

 

これはあくまで年金収入に頼って生活設計した場合の老後資金の不足額で退職金や貯蓄額は考慮していません。そして、のちにこの報告書は撤回されています

 

撤回はされたものの老後資金が不足するかもしれないという問題意識を多くの人がもつようになり、そこから貯蓄だけでなく投資に目を向ける人が増えてきていると私たちは考えています。

 

実際に株式や債券、投資信託などに投資したことがある人の割合は、2018年は35・9%、そして2019年の「老後資金2000万円問題」の年には49・8%と上昇しています。ちなみに2020年は48・6%で、若干減少しましたが、ほぼ横ばいといえます(いずれも投資信託協会の2021年発表のデータによる)。

老後2000万円問題の金額にとらわれない

老後資金が2000万円不足するという話題が沈静化したあとも2000万円という数字がひとり歩きしているように感じます。しかし、老後資金について考える必要はあっても2000万円という金額に引きずられる必要はまったくありません。人によって収入も退職金も年金の受給額も、また生活水準も異なります。全員が一律に2000万円不足するということではないからです。

 

そもそも、「2000万円が不足する」という数字の根拠となった総務省の「65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支」のデータも年によって金額が異なり、最も新しい2020年のデータで計算した場合には、老後生活で赤字は発生しないとされています。

 

資産運用の目的が老後資金の準備であれば2000万円という金額はいったん忘れるべきです。

 

そして、まずは自分自身の状況――現在の資産額やこれからの収入の見通し、退職金、年金の受給額などを確認しておくことが重要です。

 

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    株式会社sustenキャピタル・マネジメント 代表取締役 最高経営責任者 CEO

    2012年ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント入社。戦略株式運用部(ヘッジファンドチーム)にて数百億円規模の株式、デリバティブ、為替等の投資判断を行った。ポートフォリオ・マネージャーとして海外の機関投資家のために運用を行ってきた一方で、日本の個人投資家のために品質の高いサービスを提供したいと思い続け、2019年7月株式会社sustenキャピタル・マネジメントを創業、代表取締役CEOに就任。東京大学大学院工学系研究科修了(修士)。

    著者紹介

    株式会社sustenキャピタル・マネジメント 代表取締役 最高投資責任者 CIO

    2007年ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント入社。運用投資戦略部にてポートフォリオ・マネージャーを務め、日本国内法人の資産運用に従事。2012年にGoldman Sachs(在NY)へ移籍後は、欧米事業法人、大学基金、SWF等15兆円の資産配分、タクティカル・アセット・アロケーションの計量運用責任者を歴任。2019年7月株式会社sustenキャピタル・マネジメントを創業、代表取締役CIOに就任。京都大学大学院情報学研究科修了(修士)。日本証券アナリスト協会検定会員。

    著者紹介

    連載最新の金融工学でかなえる 理想の資産運用

    ※本連載は、岡野大氏、山口雅史氏の著書『最新の金融工学でかなえる 理想の資産運用』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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