資産運用において、長期投資と分散投資は、値動きのばらつきを抑え、積立投資は、買値のばらつきを抑えることができます。ばらつきを抑えることで、変動リスクを抑えられますが、「変動リスクを抑える」と、どんな効果があるのでしょうか? 株式会社sustenキャピタル・マネジメントCEOの岡野大氏と、同社CIOの山口雅史氏が具体的な数字をあてはめて、わかりやすく解説します。

変動リスクを抑えることの効果

平均的なリターンをとりやすくする

長期投資や分散投資によって変動リスク=ばらつきを抑えることができても、期待リターン自体は変わりません。サイコロの数をどんなに増やして、どんなに回数を振っても期待リターンは3.5のままです。

 

ただし変動リスクを抑えると結果がまとまりやすくなります。

 

現代ポートフォリオ理論では、変動リスクは標準偏差で測ります。標準偏差自体はデータのばらつき具合を示す数値です。データのばらつきが大きければ、標準偏差も大きくなり、逆にばらつきが小さければ標準偏差は0に近づきます。

 

[図表1]サイコロ1個を振った場合と、3個降った場合の出目のばらつきの違い

 

ここでも、サイコロの例で解説します。図表1の左側は1個のサイコロを振ったときの出目の平均、右側は3個のサイコロを振ったときの出目の平均です。

 

期待値はどちらも3.5で変わりませんが、出目のばらつきは明らかに減っていることが分かります。サイコロの目の組み合わせを考えると、平均では1や6より3や4になることのほうが多くなるからです。

 

標準偏差で見るとサイコロ1個のときは1.7ですが、3個になると1.0まで減っています。グラフにするとより分かりやすくなります。サイコロ3個の場合は、真ん中が大きくふくらんでいます。つまり、平均的なリターンが期待できる可能性が高くなります。

 

投資の場合で考えると変動リスクを抑えることで、大勝ちや大負けをしないで平均的なリターンが取れる確率が高くなるということです。

 

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※本連載は、岡野大氏、山口雅史氏の著書『最新の金融工学でかなえる 理想の資産運用』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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