投資初心者のなかには「投資の基本は長期・分散・積立」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。ただ、この言葉の「本当の意味」を正しく理解できていない人も多いと、株式会社sustenキャピタル・マネジメントCEOの岡野大氏と同社CIOの山口雅史氏はいいます。長期・分散・積立をそれぞれ正しく理解したうえで、リスクを抑えた資産運用の方法をみていきましょう。

投資の基本を正しく理解する

リスクを抑えた資産運用には、ポートフォリオを組むことが有効です。

 

しかしポートフォリオを組むということは、言い換えれば分散投資をするということです。分散投資は投資の基本の一つといわれ、理想の資産運用の実現のためには欠かせないものです。

 

資産運用の世界では一般的に「投資の基本は長期・分散・積立だ」という言葉がよく聞かれます。特に2018年に積立投資を前提とした「つみたてNISA」が導入されてからは、金融庁も積極的に長期・分散・積立をアピールしています。

 

ただ、それぞれの意味を正しく理解していない人もいます。

 

例えば「長期で投資すると短期投資とは違って失敗が少ない」「分散して投資すると、どれかが下がってもどれかが上がるので大きな失敗はしない」「一度に大きな金額を投資するのは危険だから少しずつ積立投資をするのが常に正しい」

 

――このような理解で止まっている人が多くいるように感じます。

 

資産運用でなるべく変動リスクを抑えながらリターンを着実に獲得していくためには、長期・分散・積立の正しい理解が欠かせません。

 

まず重要なのは3つとも「ばらつき=変動リスク」を抑えるという目的を実現するための手段であることです。ただし、長期と分散の2つと積立では少し性質が異なります。

 

長期投資と分散投資の目的

長期投資では、長期間の運用によって値動きのばらつきを抑えることができます。どのくらいなら長期投資といえるのか明確な定義はありませんが、少なくとも10年程度を目安にしていけばよいと考えます。

 

また長期投資のメリットとしては複利も挙げられます。複利とは元本についた利子を次の投資にも組み入れて運用し、どんどん元本を増やす運用方法のことです。投資の期間が長ければ長いほど、複利の恩恵を受けることができるのです。

 

分散投資は投資する金融商品を1つに絞らず、さまざまな銘柄を購入し、投資先を分けることです。1つの資産に集中して投資をすると、資産運用がうまくいかなくなったときに、その影響は非常に大きなものになります。

 

それを回避するための手法で、値動きのばらつきを抑えられます。理論上は分散をすればするほどばらつきを抑える効果が高くなります。

 

長期と分散は「時間」と「数」という軸の違いはありますが、実は目指しているところは同じです。

 

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次ページ「長期・分散」の性質をさらにわかりやすく

※本連載は、岡野大氏、山口雅史氏の著書『最新の金融工学でかなえる 理想の資産運用』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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