フィリピン経済牛耳る「財閥グループ」…経済回復で増益続々 写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏による、最新のフィリピンレポート。今週は、フィリピン経済を象徴する主要財閥の現状と、2022年下半期以降の見通しについてみていきます。

AC…2022年上半期50%強の増益を記録

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フィリピンのトップ財閥アヤラコーポレーション(AC)は、2022年上半期、56%増益の163億ペソの利益を計上しました。同コングロマリットは、銀行、不動産、通信セグメントで好調な業績を挙げました。

 

銀行部門のBPIは、上半期に73%増益の204億ペソの純利益を記録しました。これは、ローンの堅調な伸び、利上げによる利ざやの改善、貸倒引当金の減少によるものです。

 

不動産部門のアヤラランドは、コロナからの経済再開が事業の押し上げに貢献したことで、純利益が34%増益の81億ペソになりました。

 

通信部門のGlobeTelecomの純利益は51%増益の197億ペソとなりました。データセンター事業の一部売却による収益に加えて、データおよび非通信サービスからの収益が堅調でした。

 

一方、再生可能エネルギー部門であるACEnergy&InfrastructureCorp.(ACEN)の純利益は19%減益の22億ペソになりました。これは、アヤラがACENの所有権を縮小したこと、今年の第1四半期に発生したさまざまな一時的影響、および2021年のGNPK(GNPowerKauswagan)の売却の影響などの複合効果によるものです。

 

アヤラの社長兼最高経営責任者であるフェルナンド・ゾベル・デ・アヤラ氏は、上半期の好調な業績はフィリピン経済再開の勢いを反映していると語っています。

 

またアヤラ氏は、さまざまなレベルで、ビジネスに影響を与えている現在のマクロ経済の逆風を認識しているものの、実際の現場でのビジネスの動きを見ていると、今年の残りの期間には、まだ成長が実現されると信じていると付け加えました。

GTCAP…銀行部門の牽引で前年比50%成長

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フィリピン10大財閥の一角GT Capital Holdings,Inc.(GTCAP)は、銀行部門が成長を牽引する形で、第2四半期の純利益が前年の26億ペソから51.3%増加して39億4,000万ペソとなりました。これは、パンデミック前の第2四半期の利益である39億2000万ペソを0.5%上回っています。

 

GTキャピタルは、経済が徐々に正常に戻り、流動性が高まり、消費が復活し、持続的な経済成長政策を支持するマルコス新政権の声明を踏まえると、当グループは今年の残りの期間、非常にうまくいくと確信していると強気の発言をしています。

 

GTキャピタルの売上は、前年の403億1000万ペソから第2四半期に42.6%増加して575億ペソになりました。上半期合計では、純利益は83億ペソで、昨年の66億7000万ペソから24.4%増益となりました。総売上は、昨年の856.6億ペソから31.7%増収の1,127.9億ペソと大幅増収でした。

 

銀行部門のメトロポリタンバンクアンドトラスト社(MBT)は、上半期に33%増収の156億ペソの収益を計上しました。総貸付額は、法人貸付の12%増とクレジットカード債権の16%増により、前年比9%増の1兆3,000億ペソに達しています。

 

MBT社の資産の質は改善されていて、貸倒引当金を46%削減しながら、不良債権(NPL)のカバー率196%を達成しました。ペソ安と最近の新車モデルの発売時に発生した追加費用により、前四半期比で利益率が急激に低下した自動車部門の低調な業績を銀行が埋め合わせる形になっています。

 

自動車部門のトヨタモーターフィリピン(TMP)は、上半期の連結純利益が2.9%減少し、昨年の35億ペソから34億ペソとなりました。売上自体は、前年度の637億ペソから850億ペソへと、上半期に33.4%の成長を示しています。同社は、継続的な経済回復、モビリティの向上により、2022年の販売量目標を達成する見込みとし、1月から6月までの自動車販売台数は、前年の63,758台から25.6%増加して80,090台になりました。

 

また、GTキャピタルが株式を保有するメトロ・パシフィック・インベストメンツ・コーポレーション(MPIC)は、上半期の連結純利益が前年比24%増加し、75億ペソに達しました。大幅増益の主な理由は、多くの産業が操業能力を増強したため、有料道路交通量の大幅な回復と電力消費の増加によるものです。電力セグメントは、MPICの純営業利益の60%、59億ペソを占めました。有料道路は26%で25億ペソ。水道事業は15%、14億ペソを占めています。

 

GT Capitalの不動産子会社であるFederal Land,Inc.は、上半期の連結純利益が15%増加し、6億7,600万ペソとなりました。上半期の売上は、不動産の予約販売が31%増加して84億ペソに達したことにより、合計で57億ペソとなり、昨年より11%増加しました。

 

Federal Landは、年内にさらに2つの新しいプロジェクトを開始する予定です。下半期も、現在の移動制限が緩いままであると仮定すると、TMP、メトロバンク、フェデラルランドの潜在的な回復により、GTキャピタルの2022年度の収益性は2桁上昇する可能性がありそうです。

 

一方、フィリピンペソが下半期も引き続き弱くなると予想されるため、TMPの利益率は引き続き低下する可能性が高いと言われています。しかしながら、自動車販売は年末に向けて二桁成長という経営陣のガイダンスを達成するために順調に進んでおり、これが利益率圧迫の影響を部分的に相殺すると予想されています。

 

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    一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング エグゼクティブディレクター

    慶応義塾大学経済学部卒業後、東急電鉄に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
    その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア・ユニシス)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施。現在、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産の販売やフィリピンへの事業進出のアドバイスを行っている

    著者紹介

    連載投資すべき国No.1「フィリピン」を取り巻く最新事情

    ※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
    ※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
    ※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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