フィリピンGDP成長率…前年同期を下回る
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フィリピン統計局(PSA)が発表した暫定データによると、第2四半期の国内総生産(GDP)の成長率は、前年同期の12.1%および第1四半期の8.2%よりも低い7.4%となりました。それでも、この数値は、政府の年間目標6.5~7.5%の上限です。
世界的な高インフレはGDP成長を減速させました。インフレ率は6月に4年ぶりの最高値である6.1%に急上昇し、第2四半期の平均インフレ率は5.5%になりました。コロナからの経済再開が経済を押し上げ、消費者の購買力を上げている反面、主に燃料費と食料費の上昇に起因する高インフレによって購買力が侵食されてる形です。このように4月から6月にかけてGDP成長は減速しましたが、上半期全体のGDP成長率はまだ7.8%です。
また、減速したとはいえ、フィリピンの第2四半期のGDP成長率は、東南アジア域内で、ベトナムの7.7%に次いで2番目に高い数値です。様々な不確実要素はあるものの、2022年通年でも、GDP成長が政府の目標である6.5〜7.5%の範囲内に着地すると見られています。
第2四半期のフィリピンGDPは4.99兆ペソで、パンデミック前の2019年第2四半期の4.985兆ペソ、2021年第2四半期の4.645兆ペソのGDPを上回りました。個人消費は第1四半期で前年同期比8.6%増加し、前四半期の10.1%よりは減速しましたが、2021年の第2四半期の7.3%は上回りました。個人消費は、フィリピンのGDPの約4分の3を占めています。インフレが加速したため、個人消費は前四半期比では2.7%減少しました。
政府支出は11.1%増加し、1年前の4.2%縮小から反転しました。建設における政府の一般支出への貢献が大きく、前年同期比で22.7%増加しましたが、民間部門は8.9%にとどまりました。輸出の伸びは昨年の28.6%から4.3%に減速し、輸入の伸びは前年の40.3%から11.1%に減少しました。
産業別に見ると、サービスと産業がそれぞれ9.1%と6.3%成長したのに対し、農業の伸びは0.2%で横ばいでした。前四半期比では、農業は0.9%、産業は0.2%増加しましたが、サービスは0.4%縮小しました。
輸送、宿泊、フードサービス、その他のサービスは、パンデミック前のレベルへの回復の兆しが続いていますが、成長率は減速しています。農業部門は、自然災害などもあり、依然として脆弱で、0.2%成長に留まっています。
第2四半期の製造部門の成長率は、前年同期の22.4%から2.1%に減速しました。要因は、コンピューター、電子機器および光学製品、化学および化学製品、食品の伸びが鈍化したためです。この減速は、ロシアとウクライナの戦争によってもたらされたインフレ圧力、世界的な需要の弱体化、中国のロックダウンによってもたらされたサプライチェーンの混乱が原因であると考えられます。
各国エコノミストによる、フィリピン経済予測
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ロンドンを拠点とするCapital Economicsのエコノミストは、今年のフィリピンのGDP予測を、8%から6.5%に引き下げました。INGバンクのエコノミストも、2022年のGDPは、政府目標の下限(6.5%)に落ち着く可能性があると述べています。一方、RCBCのエコノミストは、経済のさらなる再開、インフラ支出の増加、観光と対面授業の再開を理由に、政府は今年も目標を達成できる可能性があると述べています。
また、第2四半期のデータにより、一部のエコノミストは、フィリピン中央銀行(BSP)が利上げのペースを減速し、2022年の残りの期間で、20~25ベーシスポイントの利上げ予想が主流となっています。
BSPは2022年、これまでに政策金利を125bps引き上げており、インフレの抑制を目指しています。フィリピンのインフレ率は、食品と輸送コストの増加が加速したため、7月に過去4年間で最高に達しました。
消費者物価指数が6月の6.1%と1年前の3.7%から7月に前年比で6.4%上昇しました。これは、BusinessWorldの世論調査で推定された中央値の6.2%よりも高い数値です。また、フィリピン中央銀行(BSP)の予測範囲である5.6~6.4%の上限に達しました。BSPのターゲットインフレ率は2~4%の範囲です。
7月のインフレ率は45か月ぶり、2018年10月に記録された6.9%以来の伸びで、前月比では、0.8%上昇です。2022年7月までの今年7か月の平均インフレ率は4.7%で、前年同期の4%よりも高まっているものの、中央銀行の修正値5%は下回っています。食品と飲料に関しては、6月の6%から7月には前年比6.9%上昇となっています。
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